【実写レビュー】キヤノン EOS KISS DIGITAL”初代” 昔のデジタル一眼レフは使えない?

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デジタル一眼カメラといえば、真っ先に「キヤノン」を思い浮かべる方も多いかと思います。
そして、かつての人気シリーズ「EOS KISS」を思い浮かべる方もいらっしゃる…はず。

今回は、その中でも黎明期の”デジタル一眼レフ”、EOS KISS DIGITALシリーズの初代にスポットを当ててみたいと思います!
結論から言うと、まだまだ使えるカメラです。
中古で買えるデジタル一眼レフの中でも「最安」の部類にあたる本機。
最新機種と比べると当然ながら完敗ですが、「写真を撮るだけ」なら十分がんばってくれますよ。

今の時代ではありえない600万画素の実力とは?

EOS KISS DIGITAL+EF50mm f/1.8
EOS KISS DIGITAL+EF50mm f/1.8
目次

とにかく安いデジイチ!

時代はミラーレス一眼一色の様相を呈している中、古いデジタル一眼レフに目を向けるのはいかがでしょうか。
その中でも、2000年代初頭に発売されたカメラは中古市場に多く出回り、ありえない価格で並んでいます。
オールド感を楽しむために買ってみるのもアリですが、今でも通用する写真を生み出してくれたりします。

【APS-C】キヤノン最安「EOS KISS DIGITAL (初代)」

私が最初に購入したデジタル一眼レフカメラでもある、CANONの「EOS KISS DIGITAL (初代)」。
今でも「初代キスデジ」という愛称で親しまれているカメラです。

EOS KISS DIGITAL 初代
※バッテリーグリップが付いています

フィルム一眼がまだまだ主流だった時代に、彗星のごとく登場し、一気にデジタル一眼レフカメラを普及させた、歴史に残る”名機”です。

ちなみに、装着しているレンズは「EF 50mm F1.8 ii」。
キヤノンの有名な「撒き餌レンズ」です。明るいレンズでありながら、販売価格1万円台前半で新品が買えました。
今、この組み合わせ「初代キスデジ+撒き餌レンズ」をうまく中古市場で探すことができたら、1万円でおつりがくるはずです。
カメラ本体に限って言えば、私が中古で購入した十数年前は、平均価格で2万円近くしましたが、今やフリマアプリでは数千円が相場です。

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起動が遅い・背面液晶が小さいなど、最近のカメラではあり得ないレベルで弱点を持っていますが、「じっくり静物を撮影する」など、カメラに優しい条件であれば、仕上がりはそこまで気にならないかと思います(個人の感想です…)。

今でも「全然ダメ」ではない

こちらの作例は、時価?数千円の初代キスデジと、1,000円前後で入手したSIGMAの望遠ズームレンズで撮影したものになります。

EOS KISS DIGITAL + SIGMA 70-300mm F4-5.6 DG MACRO
EOS KISS DIGITAL + SIGMA 70-300mm F4-5.6 DG MACRO

結構、いい感じに仕上がっているのが分かると思います。
※くれぐれも最新機種の作例とじっくり比較しないようにしてください…

こちらの画像は、ネコの瞳がとてもクリアです。背景がちょっと残念ですが、この「ボケ」が「一眼カメラの魅力」です。これくらいの描写力はありますので、コンパクトデジカメやスマホの写真より味があると思いませんか?

EOS KISS DIGITAL + EF50mm f1.8 ii
EOS KISS DIGITAL + EF50mm f1.8 ii

こちらはキヤノンの超広角レンズ「EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM」で撮影した作例です。

EOS KISS DIGITAL + EF-S 10-22mm F3.5-4.5

少しアンダーですが、どんよりした雲の下、凱旋門の迫力を違った角度で捉えてみました。
このレンズも、今では1万円台で購入できてしまいます。

最新機種のような高画素・高精細をとことん求めている、一瞬でフォーカスさせたい、暗いところでもブレずに撮りたい…といったシビアな条件だと、どうしても性能面で厳しくなりますが「ちょっとデジタル一眼カメラを体験してみたい」という場合は、全然大丈夫だと思うのです。

フリマアプリで上手に探せば、買い替えなどで不要になったとき、今度はフリマアプリで同等のお値段で売ることもできます。ぜひ挑戦してみてください。

キヤノンの「マウント」は要注意

ここからは少し補足的なお話になります。
本ブログのテーマ「お金をかけずにデジタル一眼を楽しむ」場合に、気を付けておきたい点を1つ挙げておきます。
それは「マウント」について、です。

初代キスデジは「デジタル一眼レフカメラ」で、マウントは「EFマウント」と呼ばれる形式です。
このEFマウントでレンズを揃えた後、「ミラーレス一眼カメラ」に移行したくなったとき、困ることになります。

それは、ミラーレス一眼のマウントが「EFマウント」ではないことで、レンズに互換性がないためです。

キヤノンのミラーレス機であれば、純正の「レンズアダプター」を使用することで、オートフォーカスも可能です。ただし、合焦までに時間が掛かるなどの難点はあります。

自社の規格をあっさり見切る傾向が?

最初に書いたように「古い資産は手放している」という方には重要な点ではありませんが、キヤノンさんは「マウント」など、規格の更新頻度がハンパない、という点だけはしっかり認識しておきましょう。

例えば、「オールドレンズを集めたいけどキヤノン同士なら最新カメラにも合うんだよね?」
と思われていたら、答えは「ノー!」です。それはキヤノンの場合、特に当てはまらないので気を付けましょう。

キヤノンは新時代を迎えるごとに、ライバルメーカーに打ち勝つべく、マウントを刷新してきました。
詳しくは、以下の公式サイトを参照してください。

どんなものでも、時代とともに進化していくわけですから当然といえば当然なのですが、最初はどうしてもどのカメラがどのレンズに合うのか、把握するのに時間がかかってしまうと思います。

直近の「フィルム一眼レフ」以降は、以下のようになっています。

  1. フィルム一眼レフ(中期?)…「FDマウント」※主にマニュアルフォーカス
  2. フィルム一眼レフ(後期)…「EFマウント」※以降はオートフォーカス
  3. デジタル一眼レフ【フルサイズ】…「EFマウント」※❷と同じ
  4. デジタル一眼レフ【APS-C】…「EF-Sマウント」
  5. ミラーレスカメラ【APS-C】…「EF-Mマウント」「RFマウント」
  6. ミラーレスカメラ【フルサイズ】…「RFマウント」

…とてもややこしいと思いませんか?
歴史の浅いミラーレス一眼カメラですら、もう2種類に分かれています…
しかも「EF-Mマウント」は早くも生産終了し、今後の主力は「RFマウント」になっております。

互換性があるのは、「EF-Sマウント」のカメラに対して「EFマウント」のレンズが装着できるのみ。
これでは買う前に悩み、買ってから悩み…ということになりかねません。

私も一番最初に「EOS KISS DIGITAL初代」を購入したときは、
「キヤノンだからキヤノンのレンズを買えば合うでしょ」程度の認識でした。

デジタル一眼レフがこの世に登場した当初、センサーサイズは「APS-C」機のみでした。
それまでのフィルム一眼レフカメラにも同じ名前の「EOS KISS」シリーズがあったので、本体だけ購入して単純に乗り換えようと思った人たちには、「同じレンズなのに写る範囲が狭くなった!」と衝撃が走ったのではないでしょうか。

どういうことかというと、デジタル一眼レフで最初に導入されたマウントは「EF-Sマウント」という規格で、35mmフィルムの写真の面積に置き換えると、何と半分以下(!)になってしまうのです。フィルムの役割を果たす「イメージセンサー」が「APS-C」という規格のため、です。
形状は、従来の「EFマウント」に対して互換性があるため、フィルム一眼レフで使用していたレンズはそのまま使用できるのですが、当時乗り換えたユーザーさんたちは、ファインダーで覗いた瞬間「狭い!」と実感したことでしょう。

このとき、「フィルム一眼レフのレンズ=EFマウントを使用できる」けど「画角が異なること」への説明をするために
「フルサイズ換算」「焦点距離が1.6倍」
という言葉・状況が生まれました。

50mmのレンズは、APS-Cのキスデジに取り付けると「フルサイズのカメラや、従来の35mmフィルムカメラだと80mm相当のレンズで撮影した画角になるよ」という意味です。

つまり、フィルム一眼レフからデジタル一眼レフに移る、いわゆるデジタル黎明期に「EFマウント」のレンズが使えなくなるという悲劇を防ぐため、互換性を持たせたわけです。
フィルム派がデジタル一眼レフに移行しやすくするための戦略だったのでしょう。

フルサイズとAPS-Cの違いについては、こちらの記事で詳しくお伝えしております。

悩ましい最初の1台…

ここまで読んでいただいて、且つ「カメラを所有していない」という方は、何を買ったらいいのか悩まれていることと思います。

  1. デジタル一眼カメラを買いたいけど、そんなにお金をかけたくない…
  2. いろんなメーカーがあるけど、決めかねている…
フォトあ

そうなんです。カメラとレンズを揃えるとなかなかの出費。それに一度メーカーを決めたら、他にいけないのが悩ましいところですよね。

プリン

迷っている時間がもったいないけど、急いで決めるのも…ウーン💦

もちろん、言うまでもなく「世界のキヤノン」ですので、サクッと決めてしまってもよいでしょう。
そこで、通称「初代キスデジ」と呼ばれるEOS KISS DIGITAL 初代を、「中古・激安」で手に入れ、カメラ・ライフを始めてしまおうというわけです。

資金があるなら最新でよい?

  • 何かを購入するときは、最新機種を取り入れている
  • 手持ちの資産が古くなれば手放して、最新に入れ替えている

といった方には、こちらの記事が有用ではないかもしれません。
このブログのスタンスは、常に「最新機種”じゃないほう”」を探っていきます。
そして、埋もれていく過去のスター(?)にスポットライトを当ててまいります。

そのため、皆様の選択肢にはなかったかもしれませんが「中古市場」に目を向けてみる、ということになります。

中古のカメラ・レンズが狙い目

今、各メーカーが力を入れているのは「ミラーレス一眼カメラ」。
「デジタル一眼レフカメラ」から、完全に主役の座を奪いました。
この先、大きくて重いデジタル一眼レフカメラが再び主役に戻ることは二度とないでしょう。
フィルムカメラがデジタルカメラに取って代わったように。
どの世界でも同じですね。携帯電話はガラケーからスマホに、自動車はガソリン車からハイブリッド車、EV車に移り行くように、時代の流れには逆らえません。

しかし、カメラとなると少し意味合いが違います。
古い携帯電話は通信システムの更新、テレビはアナログ放送の終了により、どちらも使えなくなっていきますが、カメラはいつまでも「写真を作り出すこと」ができるのです。

これまでデジタル一眼レフカメラを愛用してきたカメラマンを始め、カメラ愛好家の皆さんが、機材を入れ替えている今こそ、型落ちや中古品で「良品」を「安く」手に入れるチャンスです。

カメラ本体だけではなく、レンズまでお得に揃えてしまう方法をお伝えしてまいります。
そのため、気負う必要はありません。
いきなり高価な最新機種を購入するのではなく、とりあえずお試しで買ってしまおうという作戦です。

まとめ

この記事では、デジタル一眼レフカメラ「初代キスデジ」でお金をかけずにカメラを楽しむこと、またキヤノンを買うときに気を付けたいこととして、時代ごとにマウントが全く異なる点を挙げました。

直近のマウントについてのみ触れましたが、キヤノンには「EFマウント」となる前、フィルムカメラ時代には
「FLマウント」「FDマウント」「ニューFDマウント」など、細かくモデルチェンジが行われてきています。
それらはフィルム一眼レフ時代のもので、既に過去の遺産となっております。
しかも、ミラーレス一眼で華々しく登場した「EF-M」マウントは、早々にディスコン=終了してしまいました。

とにかくキヤノンのマウントは種類が多く、変遷も互換性も超複雑です。全部説明するには、1ページでは足りません。そのため、オールドレンズを試してみたい!と思ったとき、キヤノンのレンズからスタートすることを強くはおすすめできないのです。

本題から離れますが、もしオールドレンズを始めるなら「M42マウント」がお勧めです。
種類もメーカーも豊富で、安価なものから高価なものまで多種多様です。

M42マウントについては、以下の記事で詳しく解説しています!

マウントについての方針は、メーカーごとに事情が異なります。
ニコンは何と「Fマウント」を50年以上死守しています。キヤノンとは対照的ですよね。
ニコンについては以下の記事で触れているので、よかったら参考にしてみてください!

ところで「キャノン」じゃなくて「キヤノン」なの?

タイトルでも触れていますが「キヤノン」、ヤは大きいヤで表記するのが正しいです。
とはいえ、読み方は「キャノン」で大丈夫です!

プリン

誤字ではないんですね~

私もご多聞に漏れず、キヤノン一択で機材をそろえていきました。

他にも機材はいくつかありますので、順次紹介させていただきます。

ここからは余談です。
ある日、私はキヤノンのレンズを買おうと思い、マウントの情報をよく確かめずにオークションサイトで気になったレンズをポチしてしまったのです。
説明文をよく読めばすぐに分かったことなのですが、「ニコンのFマウント」のレンズだったのです…
つまり、ニコンについては、「レンズから」デビューしてしまったことになります。
私のそのときの決断は、誤って購入したレンズを手放すのではなく「ニコンのデジタル一眼カメラ本体をいつか買おう!」でした(笑)。

このことがきっかけで、実際にニコンのデジタル一眼カメラを購入し、キヤノンだけではなくニコンも集めるようになったのでした。
ニコンの記事も読んでいただけましたら幸いです。今後、少しずつ増やしていく予定です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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