【作例あり】ニコン・D700で十分!フルサイズ・デジタル一眼レフの名機は中古でもおすすめ。

Nikon D700
プリン

D700で十分って…かなり古いですよね。ホントに今でも使えるの?

フォトあ

さすがに最新機種にはかないませんが、かつてはプロも愛した名機。フルサイズならではの良い写真を創り出します!

早速ですが、こちらは「Nikon D700」と単焦点レンズ、「AI AF Nikkor 50mm f1.4D」で撮影した焼き物散歩道です。
何とも言えない「温かみ」「奥行」がにじみ出ていると思いませんか?
趣味として街並みや静物を撮影するなら、今でも贅沢な仕上がりを実感できるはずです。

Nikon D700 + AI AF Nikkor 50mm f1.4D
Nikon D700 + AI AF Nikkor 50mm f1.4D

もちろん、10年以上前の機種なので「中古市場」で入手することになります。
しかも、デジタル一眼レフカメラなので、レンズすら今後縮小していくことは明白です。
ちなみに、「ニコンがデジタル一眼レフから撤退する」という噂は、結論から言うとニコン自身によって否定されました。
とりあえず、まだオワコン・ディスコンではないことをご認識いただければと思います。

とは言え、積極的な開発・新製品の発表は長らく行われておらず、ミラーレスに力を入れているのは明らかです。

当然、ユーザーも「今から買うならミラーレス!」という状態で、既存のデジタル一眼レフユーザーも続々、機材をミラーレス入れ替え中、という状況です。

そこで俄然注目したいのが、中古市場における「フルサイズのデジタル一眼レフ」なのです。その中でもとりわけNikonの「D700」は、かつてプロも愛した名機でありながら、発売から年月が経過し、中古相場でかなりお求めやすい価格帯となっており、おすすめです。
D700は、ニコン初のフルサイズデジタル一眼レフカメラ「D3」の次に、2008年に発売された機種です。
D3がニコン初のフルサイズなら、D700は「ニコン初の”手が届きやすい”フルサイズカメラ」と言える存在です。

フォトあ

それでも、当時の実勢価格は30万円超!

ちょっと買ってみようかな、というお値段ではないですよね。

ともかく「初めて」の製品は、その会社の気合いとか意気込みが伝わってくるもの。
そんな本格的で魅力あるカメラが、中古市場でお求めやすくなっているのですから、手に入れておくのも損ではないと思いませんか?以前に比べると流通量が減っていて、相場が高くなってきているようにも感じられます。

色褪せない性能と美しい写真表現は、まさに名機。発売から10年以上経った今でも十分使えます。初心者の方にも扱いやすく、何と言っても「豊富なFマウントレンズ群」を存分に楽しめるカメラです。
とにかくポテンシャルが高く、クオリティの高い写真撮影が楽しめるD700の魅力をご紹介します。

Nikon D700
Nikon D700
目次

フルサイズの表現力

D700は、ニコンのデジタル一眼レフの中で「35mmフルサイズセンサー」を搭載したカメラです。
今でもその描写力は高く評価され、現役で使っているという方も多くいらっしゃいます。明るいレンズを用いて絞り開放で撮影すると、豊かな「ボケ」を実感することができます。
※フルサイズとAPS-Cについて、イメージセンサーの違い・比較などはこちらの記事で詳しく書いています。

Nikon D700 + AF NIKKOR 50mm f1.4
Nikon D700 + AF NIKKOR 50mm f1.4

また、高感度性能も優れており、暗いところでもそこそこ強いです。ISO感度設定が当時としては範囲が広く、常用ISOで200~6400となっております。<そこそこ>とした理由は、新しい機種の最大ISO感度はD700の10倍以上するものも続々登場しており、見劣りするためです。反対側、下限のISO200も、晴天時の屋外で明るいレンズをそのまま使うには厳しいです。
画質は落ちてしまいますが、常用の範囲以外の「拡張ISO」は最大25600と2008年当時としては大きく、想定外に暗いときなど「どうしても」という緊急時でも撮れないという状況は回避できます。

頑丈なボディに惚れる!

ボディはマグネシウム合金です。そのおかげもあって、頑丈です。最近のカメラの本体はポリカーボネートというプラスチック素材の製品が多いので、D700を手に持つと”いかにも高級機”といった趣きを感じることができます。今の時代では重いと感じてしまいますが、それも醍醐味として体感しましょう。ミラーレスカメラに慣れていると、より重さを実感すると思います。

シャッターの耐久性は「15万回」と屈強な造りです。もし、使い込まれた機材を中古で購入してしまっても、案外まだまだ使える個体だったりします。

当時のプロ向け機能を体感してみる。

D700は、そもそもプロ、またはハイアマチュア写真家向けに発売された当時としても高級機なので、趣味のレベルであれば今でも十分満足のいく機能を備えています。

  • オートフォーカスは高速かつ正確です。
  • 被写体の動きを追いかける撮影にも適しています。
  • 高速連写も可能であり、1秒間5コマの高速連写機能を備えています。

ピクチャーコントロールでは、被写体やシチュエーションに合わせた最適な設定が簡単に選べます。スタンダード・ニュートラル・ビビッド・モノクロームが選択可能です。

Nikon D700 + Ai AF Zoom Nikkor 35-70mm F2.8D
Nikon D700 + Ai AF Zoom Nikkor 35-70mm F2.8D

その他のピクチャーコントロールは、「Picture Control Utility 2」をNikon公式サイトで入手し、試してみましょう。

今でも使い勝手の良さを感じます

D700は、使い勝手にも優れています。まず、液晶ディスプレイがそこそこ大きく、情報の確認や撮影設定の変更がスムーズに行えます。また<そこそこ>が出てきましたが、今時の当たり前となっている、背面モニターの「バリアングル」や「チルト」のように動く仕様ではなく固定です。低いところ、ローアングルでの撮影時には自分もしっかりかがんだりしゃがんだりして、頑張りましょう!

また、ダイヤルやボタンも直感的で、操作しやすい配置になっています。もちろん最初はあれこれ覚えないといけないですが、シンプルなデザインになっているので、慣れるまでにそれほど時間はかからないはず。
私の場合、それまでキヤノン機がメインだったので、ボタンの配置や機能の名称など異なる点も多々あり、最初こそ戸惑いましたが、すぐに慣れました。

キヤノンユーザーとして最も戸惑うのは、レンズの脱着やズームリング、本体の設定ダイヤルなど、「回す系」のものがほとんど「キヤノンと逆方向」という点。ライバルだから敢えてそうしている?のかもしれませんが、両方を交互に使っていると、まず間違えます(笑)

それでも、フォーカスポイントの選択や露出補正など、撮影中にもファインダーを覗きながらでもサッと変更できるので、あっという間に使いこなせるようになるでしょう。

各種ボタンの配置と設定は、以下Nikon公式サイトのページにてご確認いただけます。

プリン

…見たけど、機能の説明が56箇所もある💧ちょっとめまいが…🌀

あ、これらのボタンをいきなり最初から最後まで、全部覚える必要はありません。
こちらの記事で、最初に覚えたい設定を簡潔にまとめておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
基本は「絞り優先モードで絞り開放、ISO感度100(日中の場合)、ピクチャーコントロールはスタンダード」で撮影されることをおすすめします。

豊富なFマウントのレンズを使える!

D700はニコン。ニコンといえば「ニッコール(NIKKOR)レンズ」です。その中でも「Fマウント」という規格のレンズを使用します。Fマウントレンズは何と言っても歴史が長いため、主に中古市場とはなりますが、豊富なレンズ群からお好みのタイプを「格安」で選ぶことができます。中古市場では、サードパーティー製(SIGMAやTAMRONなど)も含めると、実にたくさんの個性的なレンズが時には破格で入手できる状況です。また、D700のイメージセンサーはフルサイズですので、レンズの基本は「FX」というフルサイズ用になります。
D700の嬉しい機能として、APS-C用にラインナップされている「DX」レンズも、設定しておけば「APS-Cモード」に自動で切り替わり、そのまま使うことができます。
※APS-Cモードはトリミングされるため、画質は落ちます

ニッコールレンズは、製品名に「フルサイズ用はFX」、「APS-C用はDX」と入っているので、区別できます。ぜひ覚えておいてください。

フィルムカメラ時代の、いわゆる「オールドニッコール」も、D700であれば当時の35mmフィルムと同じ大きさの「フルサイズイメージセンサー」なので、APS-Cセンサーでは叶わない、レンズの性能をフルに発揮させることが可能です。

ただし、Fマウントを守り続けたニッコールレンズですが、デジタル一眼レフの場合どれでもそのまま使えるわけではありませんので注意が必要です。
・デジタル一眼には装着できない「非AI」タイプ
 フィルム時代の、初期のレンズです。知らずに「固いな…」などと思いながらゴリゴリとセットしていると、思わぬ故障を招いてしまうことがありますので、十分にご注意ください。
・組み合わせによりオートフォーカスが効かない
 理由は、「オートフォーカスモーター」を持たないレンズが過去に存在し、カメラ本体も一部のエントリー機(APS-C)がモーターを持たないためです。D700はオートフォーカスモーター搭載機種のため、大丈夫です。

NIKKOR 非AIレンズ
カニ爪がこのタイプ「非Ai」は装着できない

Fマウントのレンズについては、以下の記事で詳しく書いているので、ぜひご参照ください。

D700のデメリット

ここまで、D700のいいところを5つ挙げてみましたが、デメリットも列挙しておきましょう。
古いデジタル一眼レフ共通の宿命でもあります。

重い

D700は頑丈なボディであるのと、やはり「フルサイズのデジタル一眼レフ」というスペックのため、重さを覚悟する必要があります。特に軽量・コンパクトなミラーレスカメラに比べると、持ち運ぶだけでも労力が要ります。当然本体だけではなく、いくつかのレンズも一緒に持ち運ぶことになるので、覚悟が必要でしょう。

大きい

これも、どうしようもない事実ですね。
D700がフルサイズ機として特別大きいというわけではなく、当時としてはよくまとまったサイズだったと思われます。が、当然ミラーレス一眼カメラと比べてしまうと、圧倒的に大きいということになります。
ひとつのバッグの片隅に入れる、というわけにはいかず、「デジタル一眼レフカメラ専用」のショルダーバッグやリュックサックは必要です。

視野率が95%

ちょっとピンとこないかもしれませんが、これはファインダーを覗いたときに見える範囲が、生成される写真に対して95%、つまり「写真の範囲>ファインダーで見える範囲」という意味になります。
構図バッチリのはずが、写真を見ると端っこに余分なモノが映り込んでいる、ということが起こり得ます。

プリン

ファインダーで捉えた構図が私の作品そのものだ✨

フォトあ

というネコ…じゃなくて、という方にはストレスになるかもしれません💧

ISO感度の設定範囲が200スタート

これまでいろいろ撮影してきた経験上、これが一番辛いかもしれません。
ISO感度とは「光をとらえる能力」です。値が低いまま暗いところでシャッターを切ると、光を集めるのに時間がかかり、シャッタースピードが落ちることで手ブレに繋がります。
逆に、明るい日中では、光が十分にあるため、値はなるべく低いほうが「白飛び」しないで済むのです。
一般的なISO感度のスタート値は「100」ですが、D700は悲しいことに「200」から。そのため、日中に「明るいレンズ」で撮影しようとすると、シャッタースピードの最速の限界を超えて「H」と表示されてしまい、白飛びは避けられない…という状況が起こります。
対策としては、主に以下の2点が挙げられます。

  • NDフィルター(レンズのサングラスみたいなもの)」を取り付けて光量を抑える
  • 拡張ISO感度」を使用する

「NDフィルター」は、レンズ側での対策です。最も効果的で、一般的な対策ではあるのですが、レンズを変えるたびに必要なのと、レンズの径ごとに用意が必要なのが難点です。
一方、「拡張ISO感度」はカメラ側での対策で、常用ISO感度の最小~最大の範囲外の値を設定できます。
常用との違いは、ざっくりいうと「仕上がりがちょっと保証できないかな」といったイメージになります。
デジタル写真の仕上がりで問題となるのが「ノイズ」ですね。鮮明さや、色の滲みが出てきてしまうと考えていただければよいかと思います。

未来がない…

デメリットの最後、元も子もない言い方ですが、紛れもない事実です。
中古の機材にほぼ特化している当ブログでは重要ではないですが、将来性という観点での未来はありません。まずD700自体、生産もメーカー保証も終了しており、致命的な故障(シャッター不具合など)が発生したら、即”終了”となります。
レンズについても、デジタル一眼レフ専用の「Fマウント」という規格はミラーレス一眼には引き継がれず、「Zマウント」という規格で全く別物になっており、互換性はありません。
ほぼ全てのメーカーが「ミラーレス」に舵を切った今、Nikonも「デジタル一眼レフ」と「Fマウント」は縮小の一途をたどると思われます。

中古市場をメインに、かつての名レンズを格安で入手し、その”ベテランたち”の往年の実力を味わい・楽しむのが「じぶんカメラ」の醍醐味ですので、これらのデメリットは覚悟して受け入れてください(笑)。

【まとめ】

ニコンD700は、フルサイズ機というアドバンテージを最大の武器に、古いながらも最新機種にはない「味のある写真」を創り出します。それはもう、逆に「高画素・高精細」が売りであり、レンズの欠点をデジタル的にガッツリ補正する最新のカメラで味わうことはできないものです。
発売から年数が経過している点が気になるかもしれませんが、上述のとおり頑丈なマグネシウム合金で耐久性もあり、中古でもまだまだ良品がみつかります。

写真のことをさらに好きになる要素がたっぷりのD700。フルサイズカメラの入門用として、購入を検討する価値が大いにあります。
過去の名機でありながら、今でも現役で通用する一台と言えます。ぜひ、写真の世界への一歩としてD700を検討してみてください。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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