ミラーレス一眼カメラが勢いを増す中、「デジタル一眼レフカメラ」は終わってしまうのでしょうか。
そんな状況だからこそ、敢えて選択してみませんか?
結論から言えば、ニコンの一眼レフ用「Fマウント」は縮小の一途を辿ることが予想されます。
今後ニコンは「ミラーレス・Zマウント」に全力を注ぐことでしょう…
しかし!本ブログとしてはFマウントは「買い」です!
ブログのコンセプト「お金を掛けずにデジタル一眼カメラを楽しむ」という視点からすると、むしろありがたい状況なのです。
つまり、ニコンのデジタル一眼レフとFマウントのニッコール(NIKKOR)レンズの中古市場は価格がこなれてきて、ますますお得に入手できる状況となってきました。
この記事では、ニコン(Nikon)のデジタル一眼レフと(主にオールドな)ニッコールレンズの使い方について、注意点に触れつつ、魅力もお伝えしていきます。
こちらの作例で使用したレンズ「Ai AF Zoom NIKKOR 35-70mm f2.8」は2000円程度で入手。
十分すぎる描写力ではないでしょうか。
古くなり、安くなってはいるものの、レンズのスペック自体が高めなので当然です。
「ズームレンズでF2.8通し」は、最新のレンズでは数十万円というクラスです。
こういった、かつての銘玉が格安で流通している中古市場は見逃せない状況になっております。
ニコンの歴史が詰まったFマウント
- ニコンのレンズは昔から変わらないってホント?
- オールドニッコールレンズって簡単にデジタル一眼レフで使えるの?
ニコンのFマウントをご存じの方は、そんな話を聞いたり、疑問に思ったりしたことはないですか?
もしかしたら、Fマウントを理解して少し進んだところで
- 買ってみたけど、うまくセットできない
- オートフォーカスが効かない
など、とりあえず手に入れてはみたものの、何かおかしい…
そんなご経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
その理由は、同じFマウントでも、「どれでもそのまま使えるというわけではない」のです。
この記事では、ここだけ気を付けておけば買う時に困らない2つのポイントをお伝えします。
理解できれば、よりニッコールレンズたちに愛着がわいてくるはず。
サクッと覚えて、ニッコールの世界に浸りましょう!
そもそも「マウント」とは
レンズと本体の結合部分のことですね。
組み合わせを間違えるとセットできず悲しいことに💦
振り出しに戻るようなお話ですが、レンズ交換式カメラを使い始めると、最初に知ることの一つに
「マウントの規格が異なるとカメラとレンズがくっつかない」
ということが挙げられるかもしれません。
さらに困ることには、同じメーカーであっても取り付けられない組み合わせがあること。キヤノンのカメラならキヤノンのレンズがどれでも合うわけではなく、時代が進むにつれ改良が進むわけで、規格そのものがガッツリ変わってしまい、全く別物になるのです。
うっかり、オールドレンズがブームだ!ということで何も知らずに適当にカメラ本体とレンズを買ってしまうと、全然合わなくて「どういうこと!?」から始まる場面もあるかと思います。
そんな背景がある中でニコンは「Fマウント」と呼ばれる方式を、「ミラーレスカメラが登場するまで」守り通したわけです。それは、本当に凄いことなのです。
不変のマウントはニコンFマウントだけ
Fマウントは「ニコンの良心」と表現されるほど、「不変のマウント」として知られています。
マウントは、時代とともに変わるもの。私もキヤノンしか持っていなかった時代は本当にそれが常識だと思っていました。CANONの記事で、ニコンのカメラを持っていないときに、Fマウントのレンズを誤って買ってしまったことを書きましたが、それがニコンのカメラに触れるきっかけとなりました。
レンズを先に買い、本体を後に買うという状況でしたが、そのときに「ニコンはマウントを変えていない」という驚愕の事実を知ります。1959年に誕生して以来、全く変えていないとのこと。
つまり、歴史ある古いレンズも、最新のデジタル一眼レフに使えるということなのです。
ただ厳密に言うと、いつの時代もどのレンズもどの本体にでもそのまま使えるわけではありません。いろいろと気を付ける点はあります。
実際、ニコンはFマウントを守り通してきたが…
ニコンのマウントは、フィルムカメラ時代から一貫して「Fマウント」という方式です。
古い記事ですが、ニコン公式サイトにて歴史を確認できます。
さすがにミラーレスカメラでは「Zマウント」となり、ついに互換性は失われたわけですが、デジタル一眼”レフ“カメラまでは共通です。
しかし、各社自動化が進んでいった歴史の中で、「Fマウント」の規格は守りつつも、初期の形状ではどうにもできない部分にメスを入れたことがあるのです。
そのため、何も知らずに「オールドニッコール」を中古で買ってしまうと、「あれ、うまくハマらないぞ…」みたいなことが起きてしまいます。
買う時に気を付けたい2つのポイント
ここまで、Fマウントを守り通していると書きましたが、いざ買う時には細かい点で組み合わせに注意が必要です。
1. 「非AI」と記載があったらデジタル一眼レフには使えない
オールドニッコールレンズをショッピングサイトやフリマサイトなどで見ると、「非Ai」とか「Ai改」などの記載があります。このうち、「非Ai」とあるものは、Fマウントではあるものの、デジタル一眼レフカメラにセットして回転させる際、機種によっては一部が干渉してしまい、正しくセットできません。それどころか最悪の場合、ボディ側が故障する可能性もあります。
なので、購入する際には必ず「非Aiではないこと」を確認しましょう。
以下に、写真で一番分かりやすい見分け方をお伝えしておきます。
ポイントは「カニ爪」の形状です。
●非AIレンズのカニ爪
●AIレンズのカニ爪
ちなみに「Ai改」は、「非AiタイプをAi方式に改造したレンズ」です。
簡単に言うと、非Aiタイプのレンズを「マウントとボディが干渉してしまう部分を交換したもの」がAi改になります。
「Ai改」はデジタル一眼レフで使うことができますので、気になるレンズであれば手に入れるのもアリです。
「レンズをAi化」した頃、メーカーで公式に改造を受け付けていたそうですが、今は対応しておりません。
そのかわり、勇者の皆様が、ご自身で非Aiタイプのレンズの干渉箇所を削る、いわゆる「DIYでAi改やってみた」を実践されてますので、ググってみてください!
ただし「AI改」レンズは、上記の「カニ爪の形状による見分け方」が通用しないため、商品のコメントを信じるしかありません。
2. 本体⇔レンズの組み合わせによりオートフォーカスが使えない
続いては、オールドニッコール、と呼ぶには語弊がありますが、オートフォーカスが登場して以降のレンズで起きる問題点をお伝えします。
まず押さえておきたいこととして、ニコン機では
- オートフォーカスのモーターを持たない「カメラ本体」が存在します
- オートフォーカスのモーターを持たない「レンズ」が存在します
上記の「ない・ない同士」でカメラとレンズを組み合わせると、オートフォーカスは動きません。
つまり、カメラかレンズのどちらか一方が必ず「オートフォーカス機能」を持っていないといけないということです。
具体的に、どの本体とどのレンズかというと「型番」で確認できます。
- 本体…D40, D60, D3000番台、D5000番台
- レンズ(NIKKOR)…型番に「AFのみ」「Ai AF」と表記があるもの
- レンズ(ニコン以外の製品)…各社の決まりを確認
もし、お手元のニコンの機種とレンズで「オートフォーカスが動かない。故障?」
というときは、組み合わせを確認してみてください。
このため、例えばフリマアプリで知らずに買ったとき、出品者に
「オートフォーカスが壊れてますけど」などと、クレームに発展してしまうことがあると思います。
出品する側も知らないと不幸なことになるので、ぜひ覚えておきましょう。
もちろん、ニコン以外のサードパーティー製レンズでも注意が必要です。同様にオートフォーカスのモーターを持っていないものが存在しますので、「各社のウェブサイトを見て」十分確認してください。
ここで細かく調べて書くには複雑です。
代表例として、シグマは「HSM」、タムロンは「USD」と表記があればAFモーターを内蔵しています。
ざっくりとした目安として、オートフォーカス初期のレンズは当てはまりやすく、最近のレンズであれば概ね大丈夫ではないか、ということが言えるのではないでしょうか。
まとめ
以上、とりあえずこれだけ意識しておけば、買ってから「しまった!」ということはないはずです。
お手元にあるレンズが、もしかしたら「これだ!」ということがあるかもしれません。
私はこの問題を避けるため、ニコンのカメラを購入するときは、AFモーターを内蔵しているものを選択しています。
そうしておけば、AFモーターを持たないレンズでも心置きなく購入することができるからです。
私は元々キヤノン派でした。今でも(未だに…)手持ちの最高峰は「EOS 5D mark iii」なのですが、このブログのテーマでもある「お金をかけずに」&「オールドレンズで」デジタル一眼を楽しむには「過去のレンズに強力な互換性のある、ニコンのFマウントレンズ」が最強です。
CANONで気を付ける点は、以下の記事でお伝えしておりますので、参考にしてみてください!
私の愛すべき機材たち
最後に、手元の機材を紹介します。
私が最初に購入したニコンのデジタル一眼レフカメラは中古の「D50」です。
こちらは古い機種ながら「AFモーター内蔵」のため、使用するレンズに制約はありません。
ニコンのカメラはD50に続き、フルサイズの「D700」を入手。
現在はD50を手放し、D70というAPS-C機を入手。フルサイズとAPS-C機を1台ずつ所有しております。
なお、ニコンのフルサイズタイプのカメラはすべて、AFモーターを搭載しています。
このD700も古い機種ですが、今でも根強い人気があります。
余談ですが、ニコン機を使い始めて面食らったのは、いろいろな操作がキヤノン機と反対であること。
レンズを付ける向き、ズームの回転方向…これって、お互い対抗意識なのか偶然なのか、気になるところです。