「フルサイズのデジタル一眼レフが欲しい。でも30万円なんて出せない…」
「スマホの写真は綺麗だけど、なんだか『味』がない…」
もしあなたがそう感じているなら、答えは20年前のカメラにあります。
こんにちは、”フォトあ”です。
今回は、私が愛してやまない伝説の名機「Canon EOS 5D 初代(Classic)」をご紹介します。
発売は2005年。人間で言えば成人式を迎える「先輩カメラ」です。 しかし、断言します。
このカメラは2026年を迎える今でも現役でいけます。
むしろ、高画素・高性能になりすぎた最新カメラが失ってしまった「写真本来の豊かさ」が、ここにはあります。
しかも、今なら中古市場で「1万円台」。 飲み会を”3回”我慢すれば、あこがれの「フルサイズ」が手に入るのです。
この記事では、「なぜ今さら5D初代なのか?」を、実際の作例(オールドレンズ使用)とともに、メリットもデメリットも包み隠さずレビューします。
フォトあ発売当時は30万円超です!



もう20年超でしょ…今でも使えるの?
この立体感♪
オールドレンズと非常に相性が良いので、この後に出てくる他の作例もぜひご覧ください。
なぜ今、20年以上前の「5D 初代」が再評価されているのか
最新のミラーレス機(EOS R5など)は4500万画素を超えますが、5D初代はたったの「1280万画素」です。
「えっ、スマホより低いじゃん」と思いましたか?
実は、ここが大きなポイントです。
「画素ピッチ」が生む、圧倒的な色の階調
同じフルサイズセンサーという広い面積を、少ない画素数で贅沢に使っているため、1画素あたりの受光面積(画素ピッチ)が大きいのです。
これにより、光をたっぷりと受け止め、「滑らかなグラデーション」や「豊かな色彩」が生まれます。
カリカリに解像したデジタル画像ではなく、どこかフィルム写真に近い、湿度を感じるような写り。 これこそが、”世界中のファン”から「5D Classic」と呼ばれ、愛され続ける理由です。
初代「EOS 5D」の概要


| 有効画素数 | 1280万画素 |
| 本体の重さ | 約810g |
| レンズマウント | フルサイズ |
| 背面液晶モニター | 2.5 型TFT 液晶(約46万ドット) |
歴史と背景
EOS 5D 初代は、2005年に発売されました。当時まだまだ高嶺の花だった「フルサイズセンサー」搭載のデジタル一眼レフカメラを、一般の人にも手が届く価格で提供され(それでも30万円超ですが)、フルサイズ機を待ち望んでいた多くの写真家の人気を集めました。
そんな「憧れのフルサイズ機」が時を経て、中古市場で1万円台で入手できる時代となりました。
主なスペック
「EOS 5D」は、古いだけあって、動画撮影機能もなく「静止画撮影」のみの武骨なザ・カメラです。
センサーは前述の通りフルサイズで、1280万画素のCMOSセンサーを搭載しています。
その他詳しい情報は、キヤノン公式サイトをご覧ください。
当然、最新のカメラ、特にミラーレス一眼のフルサイズなんかと性能を比べてはいけません🙅♂️
特に撮影において性能差を感じるのはオートフォーカスの速さと精度、ISO感度あたりでしょうか。
機能面ではWi-Fi転送機能がない、背面液晶がバリアングルではなく固定など、挙げればキリがないです。
それでも、私のような「フルサイズ信者」にとっては、いまだに魅力を感じるカメラなのです。
デザインと操作性
EOS 5Dのデザインは、シンプルでありながら、その時代ならではの高級感があります。ボディはマグネシウム合金で頑丈です。グリップも大きく、(重いのは置いといて)手にしっかりとフィットするのがいいですね。
操作ボタンの配置も基本的なキヤノンの配置となっていて使いやすく、初めての人でもすぐに慣れることができると思います。
背面液晶はバリアングルではないことに加え、タッチパネル機能がないため設定はボタンでしかできません。
現代のカメラに慣れていると、最初は設定の変更などがやりづらいと思います。
【作例】5D初代 × オールドレンズが「エモい」理由
論より証拠。私の愛機で撮影した「無加工・JPEG撮って出し」の作例をご覧ください。
使用レンズは、同じく安価で楽しめるオールドレンズの王様「SMC TAKUMAR 55mm F1.8」などがメインです。



うまく伝わることを願います🐱
風景:空気まで写し撮る「立体感」
「EOS 5D」で撮影した自然風景の写真は「味わい」があります。フルサイズセンサーの恩恵もありますが、最新のカメラと最新のレンズによる最新の技術で完璧に補正される写真と違って、これは個人の感想ですが…風景写真に限らず自然な仕上がりと豊かな色表現に見入ってしまうときがあるほどです。
ほかの記事でもUPしているこちらの作例。撮れたとき、この明暗の表現力に感動しました。


作例は大半がオールドレンズ「TAKUMAR 55mm F1.8」などを使用しているため、レンズの表現力でもあるのですが、同じオールドレンズを新しめのミラーレス一眼で撮影したものより明暗や色に深みを感じるのは、私だけではないはず👍
一貫して「立体感」をしっかり感じられる写真が多いように思います。
こちらも、どこにピントを合わせたのか覚えておりません(笑)。でも何か気に入っている写真。皆さんもそういう写真、ありませんか?
こちらは白黒の作例です。周辺減光が物悲しさを演出しています。
いかがでしょうか。最新カメラのようなパキッとした解像感はありません。しかし、その場の「空気感」や「立体感」がじわりと伝わってきませんか?
明暗のグラデーションがしっかりしつつ、なだらかなので、見ていて疲れない、優しい写真になります。
古いデジタル一眼レフの魅力については、以下の記事で書いています。ご一読いただけましたら幸いです。


愛猫:二度と戻らない時間を、永遠に残す
私の相棒、プリンです。



漂う肖像画感🐱
ネコタワーで休むの図。タワーを日向に置いていたので、冬はよくここで過ごしていました。
こちらも日向ぼっこするプリン。窓辺の柔らかな光、毛並みの温かさ。5D初代は、こうした「記憶の中の景色」をそのまま残してくれます。



実在のボクは、2024年の夏に旅立ちました…👼
こちらは金華山のリス村のリスさん。手からエサを受け取る姿が可愛いですね。ピントは軍手ですね💧
子供、人物の作例
ここからは「EF50mm F1.8ii」の作例がメインです。キヤノンの格安レンズ(通称:撒き餌レンズ)との相性も抜群です。
アスファルトで遊ぶ子供の姿も、フルサイズ特有の大きなボケ味のおかげで、まるで映画のワンシーンのように切り取れます。スマホの「ポートレートモード(擬似的なボケ)」とは違う、本物の光学的なボケは、被写体を優しく浮かび上がらせます。
アスファルトの上でしゃがむ子供を撮っただけですが、地面がボケて幻想的な雰囲気に。
カメラを構える子供を撮影。背面液晶に夢中なようです。
その他、モノ撮りなど
クリスマスの飾りは、明るいレンズのボケを生かして優しく温かい感じに。パンフォーカスで全体がクッキリするよりフワッとした印象で撮れます。古いカメラとレンズのほうが雰囲気を壊さないように思います。
子供が大好きで、集めに集めたカーズの主役。全部同じマックイーンたち(笑)。
最新のデジタル一眼の作例と比べると、確実に解像感などは劣りますが、それがひとつの魅力になっていると思いませんか?
作例のほとんどが50mm単焦点レンズと、偏っていることをお詫びいたします💦
その50mm単焦点レンズに特化した記事も用意しておりますので、ぜひご参照ください。
「EOS 5D 初代 」の魅力とは?
フルサイズの画質
「EOS 5D」の最大の魅力は、なんといってもフルサイズであることです。1280万画素のフルサイズセンサーは、最新機種では考えられない画素数ですが、あまり多すぎないほうが色の深みを感じられる写真になるというのも、頷けます。10年以上前とは思えないほど色再現性が高く、自然な色合いを表現してくれるカメラです。
高感度の性能は?
「EOS 5D」は、これも時代の割に高感度性能に優れています。ISO感度は最大1600まで、と今では信じられない低い値ですが、そこはさすがのフルサイズ。多少暗くてもノイズの少ない写真を撮影することができます。夜景や室内撮影でも、その実力を存分に発揮します。
最新カメラのISO感度とは決して比較しないでくださいね(笑)。
耐久性はありそう
「EOS 5D 初代」は、とにかく頑丈なイメージです。私自身も中古で入手しており、外観は傷だらけの不安な個体でしたが、数年使用して特に困りごとはありません。傷の多さから過酷な環境で使われてきたと推測できますが、よほど強くぶつけない限り、故障しないように作られているのかもしれないですね。
今、「EOS 5D 初代」を選ぶ理由
コスパ最高のフルサイズ!
「EOS 5D」を選ぶ一番の理由は、中古市場において、フルサイズ機の中でもダントツに安いことです。カメラショップでは難しいですが、フリマアプリでは1万円台で入手できます。APS-C機をメインで使用し、サブで「フルサイズ」なんていうことも余裕でできます。何しろ安いので。
そんな5Dだって、当時はプロの写真家が仕事で使うレベルの性能だったわけで、「時代が経過した」というだけで当時の価格の何十分の一、というお手頃価格で入手できるのは魅力的です。重いしデカいし写真しか撮れないし…などの不安は一枚目の写真を目にしたとき、全部吹き飛ぶかもしれません。
そのような理由から「コスパ最強!」と言わせていただきます。”写真家”にとって魅力的な選択肢、といえるのではないでしょうか。初めてのフルサイズカメラとしても最適です。
豊富なレンズラインナップ
「EOS 5D」はフルサイズなので(しつこいですね)、キヤノン、あるいはサードパーティー(シグマやタムロンなど)の豊富なEFマウントのレンズを「フィルム一眼レフと同じ画角」で撮影できます。
例えば、本記事の作例は焦点距離50mmが多いわけですが、APS-C機で同じように写すと、画角はもっと狭くなります。このあたりは別記事で掘り下げておりますので、ご参照いただけましたら幸いです。


広角から望遠まで、多様なレンズをそのままの画角で撮影できるので、ずっとAPS-C機で使用していた場合、そのレンズの隠れていた実力を肌で感じ、フルサイズの魅力に触れることができるはずです。



あらゆるレンズの作例をお願いします✨



承知しました👍
初代であること
「EOS 5D」は、フルサイズデジタル一眼レフ・5Dシリーズの初代です。
シリーズは四代目まで続き、その都度大幅にブラッシュアップされ洗練されていくわけですが、初代にはキヤノンの意気込みが感じられます。それまで「EOS 1Ds」シリーズで100万円前後だったフルサイズ機を、ほぼ3分の1に近い価格帯で発売したのです。
画素数など、様々な面でコストダウンが図られているわけですが、写真はフラッグシップ機と大きく差があるというわけではないようですね。
古すぎて比較記事などもほとんど見つかりませんが、むしろ1Ds初代より処理スピードは速くなっているようです。
あえて言うなら「不便さ」も5D初代の持ち味です。
良いことばかり言っても嘘になります。5D初代は、現代の基準で見れば「超・不便」なカメラです。
しかし、私はその不便さも含めて愛しています。
液晶モニターは「見えない」と思え!
背面の液晶は小さく、画質も粗いです。ピント確認など、正直できません。
でも、だからこそ「液晶を見る暇があったら、ファインダーを覗け」とカメラに言われている気がします。
撮影直後にモニターを確認するクセが減り、被写体と向き合う時間が増えました。
暗がりでのISO感度は正直期待できない
常用ISOは1600まで。暗い場所には弱いです。
ですが、そのノイズすらもフィルムの粒子のように見えてくるから不思議です。
重いシャッター音の快感
「カシャン!ジュワン!」
撮影するたびに、手に伝わる大きな振動と音。「今、写真を撮っている!」という手応えは、軽量なミラーレス機では絶対に味わえません。
ミラーショックによる手ブレには気を付けましょう(笑)。
購入前の注意点:持病の「ミラー脱落」とCFカード問題
これから5D初代を迎え入れたい方へ、2つだけ重要な注意点があります。
① 持病の「ミラー落ち」
初期の5Dは、経年劣化で内部のミラーが外れてしまう”持病”があります。
中古で購入する際は、「ミラー落ち対策済み(メーカー対応)」と記載されている個体を選ぶと安心です。
私の個体は恐らく対策済みで今のところ無事ですが、落ちたときはそれも運命だと思って受け入れます…
② 記録メディアは「CFカード」
SDカードはそのまま使えません。昔ながらの「コンパクトフラッシュ(CFカード)」が必要です。
「えっ、持ってないよ!」という方もご安心ください。
「SDカードをCFカードに変換するアダプター」を使えば、お手持ちのSDカード(Wi-Fi機能付きSDカード含む)がそのまま使えます。
「MicroSDカードをCFカードに変換するアダプター」もあります。
以下はアダプターではなく「CFカード」そのものです。
EOS 5D 初代は、最大容量が32GBである点にご注意ください。
スマホに転送する方法
古いカメラなので、カメラ本体には「Wi-Fi転送機能」がありません。古いカメラを使う際に一番ネックとなるところではないでしょうか。
ただし、どうにもならないわけではないです。
なんとかスマホに転送する方法として、以下の方法があります。
- CFカードではなく上記で紹介した『CFカードアダプター』を準備する
- Wi-Fi機能付きSDカード(ez Shareなど)を❶にセットし、カメラに装着する
- スマホに❷のアプリをインストールし、カメラの写真をWi-Fi転送する
詳しくは、以下の記事で詳しく設定方法などを紹介しておりますので、ご参照いただけましたら幸いです。


まとめ:1万円で買える「タイムマシン」を手にしよう
- 1280万画素の「濃い」写り
- フルサイズならではの大きなボケ
- 不便だからこそ味わえる「撮る喜び」
これらが詰まった名機が、今は中古で1万円台。
最新のカメラを買うお金があったら、「5D初代」と「オールドレンズ」を買って、残りで旅行に行きましょう。
その旅先で撮る写真は、もしかしたら最新の30万円のカメラで撮るよりも、あなたの心を動かすかもしれません。
「古いから使えない」なんてことはありません。
古いからこそ、撮れる世界があるのです。
あなたも「じぶんカメラ」の相棒に、EOS 5D Classicを選んでみませんか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
あなたのカメラ・ライフがより豊かになることを心より願っております!

















