【作例あり】50mm単焦点レンズは難しい!と言われる一番の理由とは?魅力を知って使いこなそう。

50mm単焦点レンズは難しい?

単焦点レンズの中でも標準とか基本と言われ、最初に持つべきと言われる50mmのレンズ。
それなのに「難しい」という声も聞こえてくるのはなぜでしょうか?

一番の理由は、「スマホで最初に表示される画角より狭いため」かもしれません。

そしてもうひとつ大きな理由があります。それは、カメラ本体の「イメージセンサー」の大きさが、カメラの種類によって違うことです。
「うん、知ってる」という方、「何それ?」という方、それぞれあるかと思います。

うまく使いこなせば、素敵な写真を量産してくれる「最高の相棒」になるかもしれない50mm単焦点レンズ。
しかし、第一歩というときにガッカリして、そのまま使わなくなるということもあるのではないでしょうか。

例えば、近くの被写体を美しく捉えたいときは、とてつもない力を発揮してくれます。

SONY α7+FE50mm f1.8
SONY α7+FE50mm f1.8

上の作例はミラーレス一眼、下はデジタル一眼レフ。どちらも豊かなボケにより、柔らかい印象の写真が撮れるのです。

NIKON D700+Ai AF NIKKOR 50mm f/1.4D
NIKON D700+Ai AF NIKKOR 50mm f/1.4D

ではここから、難しい理由と解決策を一気にお伝えしてまいります!
一度難しいと感じて使うのを諦めた方にも、この記事がお役に立ちますことを願いつつ…

目次

カメラの種類により「50mm」は「50mm」ではなくなる!

「50mmは標準」という表現から、多くの人は恐らく「焦点距離50mmで普通に撮れば自然な画角になる」ことを想像すると思います。
しかし、それはイメージセンサーが「フルサイズ」のカメラを使用している場合に限定されます。

「フルサイズ」はイメージセンサーの種類です。イメージセンサーとはフィルムカメラでいうフィルムにあたる部分。昔主流だった「35mmフィルム」と同じサイズで画像を生成するのがフルサイズなのです。
デジタル一眼カメラ界の主流となる「APS-Cサイズ」は、ざっくり言うと面積がフルサイズの半分程度。結構小さくなってしまいます。

また、スマホでは普段「焦点距離○mm」など意識することはないのですが、iPhoneの場合に当てはめると、カメラを起動したときに表示された状態から「2倍ズームした画角」がかなり近いです。「2x」の文字をタップしたときに画面に映っている範囲ですね。

ということで、ここから実際に4種類のイメージセンサー「フルサイズ機」「APS-C機」「マイクロフォーサーズ機」「スマホ(iPhone)」で、「同じ画角の写真」になるよう実際に撮影した写真を見ていきましょう!

作例は同じ画角の同じ写真が続くのでシュールですが、「実際に撮影した」がポイントですので、ご容赦願います…
撮影場所は「物流センター建築現場のクレーン群」です。

フルサイズ機・焦点距離50mm

まずは、フルサイズ機に50mmの単焦点レンズをセットして撮影した作例です。
ここから続く4点の作例のうち、実際に「50mmの単焦点レンズ」を使用しているのは唯一、この写真だけです。

EOS 5D Mark iii+EF50mm f1.8 ii
EOS 5D Mark iii+EF50mm f1.8 ii

クレーンが3本見えていて、中央の1本が先のほうまで全体がしっかり入ってますね。
このフルサイズ+焦点距離50mmの作例と同じ画角になるように、イメージセンサーの異なる3種類のカメラ(スマホを含む)で撮影した結果を、ここから確認いただきます。
※今回の作例群は、画角のみ注目願います。色味やピントの差は、機種の違いや設定、腕前によるものなのでスルー願います…

APS-C機・焦点距離31mm

APS-C機で、上記フルサイズの作例と同じ画角で撮ろうとすると、31mm付近で合いました!

EOS M10+EF-M18-55mm f3.5-5.6 (31mm)
EOS M10+EF-M18-55mm f3.5-5.6 (31mm)

「フルサイズ・50mm」と同じ画角なのに、焦点距離は全然違います。しかも「31mm」とは中途半端ですね。
実は、デジタル一眼カメラのうち最も普及している「APS-C機」を使用して「フルサイズ&50mmレンズ」と同じ画角の写真を撮ろうとすると、ちょうどいい単焦点レンズは無い、ということになります。
「50mmが標準」としておきながら、APS-C機にぴったり当てはまるレンズは無いのですね…

厳密に31mmで撮影するならズームレンズで実現するしかありませんが、キリの良い30mmなら単焦点レンズが存在します。
単焦点レンズで「フルサイズ50mm」に近い画角にするためには、APS-C機の場合は「50mm単焦点レンズ」ではなく「30mm単焦点レンズ」で撮影することになるのです。

プリン

皆さーん!ついてきてますかー💦

単焦点30mmはシグマ製がありますが、キヤノン純正は存在しません。

キヤノン純正の場合、「EF35mm F2」があります。このレンズをAPS-C機で使用したときの「フルサイズ換算」は「56mm」となり、少し望遠側になりますが、50mmの画角に近いと言えますね。

このように焦点距離に差が出ることを「フルサイズ換算」と言います。
次のマイクロフォーサーズに進む前に、この用語について説明させてください。

「フルサイズ換算」とは?

「フルサイズ換算」という言葉をご存知でしょうか。
今回APS-C機・31mmの画角がフルサイズ機・50mmの画角に相当することが分かりましたが、それが何倍なのか?というと以下のような計算式になります。
【31x1.6=49.6(つまり約50mm)】
この「1.6倍」することを「フルサイズ換算」と言います。

「APS-C機・焦点距離30mmで撮影したら、フルサイズだと48mmで撮影したときと同じ画角だね」
というふうに使います。

ただし、この「1.6倍」はキヤノンの場合です。ニコンやソニーなどは「1.5倍」で若干異なります。
「ニコンのAPS-C機・30mmで撮影したら、フルサイズ換算すると30×1.5なので、45mmに相当するんだね」
ということになるのです。

以下の記事でも、フルサイズとAPS-Cの違いについて触れておりますので、よろしければご一読ください。

しかし…こんなに分かりにくい話、カメラにとっつきにくい原因になっていると思うのは私だけでしょうか。

私はこのような、カメラの世界がすぐに理解できないような仕組みになっていることが非常に嘆かわしく感じます。まるで「素人には気軽に入らせない」といった空気すら感じてしまうのです。
こんなことを書くと諸先輩方に怒られてしまいますね…

マイクロフォーサーズ機&25mmレンズ

続いては、オリンパスのPENシリーズやパナソニックのLUMIX G1に始まる、ミラーレス一眼の草分け・マイクロフォーサーズ機です。
こちらのイメージセンサーの「フルサイズ換算」を先に言ってしまうと「2倍」です。

となると、もうお分かりでしょうか?マイクロフォーサーズ機で「フルサイズ50mm」と同等の画角にしたいときは「焦点距離25mm」で撮影すればよいのです。

E-PL6+M.ZUIKO 14-42mm F3.5-5.6 EZ (25mm)
E-PL6+M.ZUIKO 14-42mm F3.5-5.6 EZ (25mm)

マイクロフォーサーズの25mm単焦点レンズは、オリンパス純正のものが出ています。

純正ではないですが、中国製のレンズも存在します。
こちらは純正に比べて格安で手に入りますが、オートフォーカスではない点、ご注意ください。

スマホ(iPhone)は「2x」をタップ!

最後はスマホです。スマホの場合、「今は焦点距離が○mmだ」など一切意識しませんよね。私もそうです。

スマホの場合は「2倍ズーム」の状態で「フルサイズ50mm」と大体一致します。

iPhone12 6mm
iPhone12 2倍ズーム (6mm)

ちなみに、このときの「2倍」は「フルサイズ換算」とは関係ないのでご注意ください!
スマホ自身がカメラ起動時に表示している状態から2倍ズームしている、という意味です。

あえてフルサイズ換算をすると、スマホの焦点距離はこのとき「6mm」なので、およそ「8倍」とちょっと、ということになるでしょうか。
ただし、スマホの場合は焦点距離など考えなくてよいでしょう。
交換レンズの場合は、最初から「焦点距離○mm」を意識して撮影するのですが、スマホの「○mm」は撮影された写真のプロパティをわざわざ見ないといけない、つまり撮影後に分かるものだからです。

ちなみに、この結果から「スマホのカメラを起動したとき」の画角は、交換カメラでは「広角」の扱いになるのです。
コンパクトデジカメも起動時は「広角」なのですが、恐らくスマホ・コンデジのカメラに慣れている方はこの画角が「標準」という感覚になるはずです。

カメラによって50mmの意味は変わる

イメージセンサーが異なると、画角を合わせようとすると別の焦点距離になってしまう。
これこそ「50mmは難しい」という結論に至る、一番の原因ではないでしょうか?
少なくとも、私はカメラを始めたときにそう感じました。

フォトあ

私だけだったらゴメンナサイ🙇

フルサイズ換算で50mmにする方法

ということで、お手元に交換式カメラがあったら、まずイメージセンサーがどれに当たるか検索してみてください🔍
『焦点距離50mmが標準の画角』を味わうためには、フルサイズ以外では、以下の組み合わせで実現できます。

  • フルサイズ機⇒50mm ※基準
  • APS-C機⇒30~35mm
  • マイクロフォーサーズ機⇒25mm
  • スマホ(iPhone)⇒2倍「2x」

単焦点レンズ全体のお話については、以下の記事で触れております。ぜひご一読ください!

まずは、この3種類のイメージセンサーと、それぞれの焦点距離の変化を覚えておいてください。本記事の最重要ポイントです。

全てのカメラにて、50mmレンズで撮影してみる。

今度は「50mmの単焦点レンズ」を、同じ場所から、それぞれのイメージセンサーで撮影した場合にどうなるのか。
皆さんが一番気になっているのは、こちらの結果かもしれませんね💦
これまたクレーンの写真で確認していきましょう。

フルサイズ機+50mm単焦点レンズ

こちらは、最初の作例の再掲です。
ちなみに、中央のクレーンの背中側で「△」に見える部分が画面の中央付近にくるように撮影しています。

EOS 5D Mark iii+EF50mm f1.8 ii
EOS 5D Mark iii+EF50mm f1.8 ii

APS-C機+50mm単焦点レンズ

結果はこうなります!全然違いますね。カメラをAPS-C機に変えただけで、レンズは同じものを使用しています。

EOS M10+EF50mm f1.8 ii
EOS M10+EF50mm f1.8 ii

何というか、クレーンがめちゃくちゃ”近く”なりました。中央のクレーンの先端は切れて、左に見えていた2本のクレーンは画面の中に入らなくなってしまいました。フルサイズの作例の余裕ある画角と見比べていただくと、想像しているより全体が入らないうえにズームもできないため、まさに「難しい」と感じるのがお分かりいただけますでしょうか。

このときの感覚ですが、フルサイズ機で撮影したときは、視認できる風景のうち「写真に収めたい」と思った範囲がしっかり収まりました。もう少し広角だと、クレーンが小さくなってしまい印象が薄れます。立ち位置が良かったこともありますが、まさに「自然な画角」を実感することとなりました。
それに対して、APS-C機だと「もっと遠くから撮らなければいけないのか…」ということが、カメラを構えて初めて分かるわけです。

マイクロフォーサーズ機+50mm単焦点レンズ

こちらもやはり、APS-C機より小さなイメージセンサーなので、さらに被写体に寄ってます。ただし、思ったほどAPS-C機との差は、フルサイズ⇔APS-Cのときほど感じられないですね。

E-PL6+SMC TAKUMAR 50mm f1.4
E-PL6+SMC TAKUMAR 50mm f1.4

余談ですが、被写体がソフトになっているのは、このときだけオールドレンズを使用しているためです。マニュアルフォーカスなので私のピント合わせがズレていた可能性があります。
また、他の作例は絞って撮影しているところ、このレンズだけ最大開放値(F1.4)にしていることも一因かもしれません。

このように、「標準」という言葉だけを鵜呑みにして、イメージセンサーを考慮しないままに「50mmレンズ」を使ってしまうと、フルサイズ以外のカメラをお持ちの方にとっては「随分画角が狭いなぁ」⇒「難しい」という結果になるのです。

50mm単焦点レンズ使用時のフルサイズ換算

最初の章ではイメージセンサーの種類ごとに「50mm」に近づけるための「フルサイズ換算」をお伝えしましたが、ここでは、一貫して「50mm(単焦点)レンズ」を使用しました。
各イメージセンサーで使用した場合のフルサイズ換算がどうなるか?を見てみましょう。

  • フルサイズ機=50mm
  • APS-C機⇒フルサイズ75mm相当(キヤノンは80mm)
  • マイクロフォーサーズ機⇒100mm

※スマホに50mmのレンズをセットすることはないので割愛します…

以上が結果ですが、マイクロフォーサーズ機に至っては「100mm」!これはもう望遠レンズの領域です。
“自然な画角”と思って撮ってみたら、厳しい結果になることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
なので、上記のフルサイズ換算を頭にいれて活用すれば、「50mmなら中望遠/望遠レンズの画角になるな」と分かるので、難しいという感覚は薄れていくのではないかと思います。

まとめ。50mm単焦点レンズの基本と魅力

フルサイズカメラでの50mmレンズの特徴

フルサイズカメラで50mmレンズを使用すると、「標準レンズ」として扱われる理由は、「人間の視野に近い自然な画角」であること。
個人差はあると思いますが、被写体との距離感や構図が直感的に掴みやすいという点は、使っているうちに理解できます。「ここからクレーンを撮ろう」と思ってカメラを向けると、しっかり収まった今回の経験からも改めて感じました。

広い範囲で風景を撮影したい場合は「広角レンズ」が最適ですが、ちょっとした遠景など、本当に「ちょうどいい感じ」になります。全ては「個人の感想」になるので、実際に体感していただくのが一番ですけどね。

静物やポートレートは特におすすめで、スナップ撮影においても、自然な範囲を切り取ることができます。

APS-C、マイクロフォーサーズカメラでの50mmレンズの特徴

そしてAPS-Cカメラで50mmレンズを使用すると、検証のとおり「焦点距離が約1.5倍(CANONは1.6倍)」、望遠側に寄ることになり、実質的にフルサイズカメラ使用時の「75mm(CANONは80mm)」の中望遠レンズと同等、という扱いになります。望遠に寄るということは「画角が狭くなる」ということ。
とても「標準的な撮影範囲」とは言い難く、感覚としては「中途半端な画角」と感じられるでしょう。

マイクロフォーサーズではさらに望遠側となり、フルサイズカメラの100mmレンズ相当であることは前述の通り。

  • 焦点距離50mmが標準と言えるのは「フルサイズ」のカメラのみ
  • APS-C」のカメラでは焦点距離が1.5倍。フルサイズ時の75mm(CANONは80mm)同等となり、中望遠域となる
  • マイクロフォーサーズ」では2倍。フルサイズ時の100mm同等となり、望遠域となる

ほかのレンズ・焦点距離でも「フルサイズ換算」の計算方法は同じです。
Webや写真雑誌なども、作例の説明に「フルサイズ換算」の記述があったりします。
ぜひ、この機会に覚えていただければと思います。

そもそも50mm単焦点レンズとは?

結論としては、魅力いっぱいのレンズであることには変わりありません。
一番の魅力は明るい開放値を生かした「ボケ」の表現なので、そういう写真が好みの方には必携のレンズです。
スマホカメラの起動時の画角は「広角」なので、この焦点距離は「別物」という認識で挑むことから始まります。
しっかり理解してカメラ・ライフを充実させていきましょう!

単焦点レンズは一般的に開放F値が低く、明るいレンズが多いため、ボケ味の美しい写真を撮影することができます。この「明るいレンズ」は重要なキーワードです!ぜひ覚えておいてください。

F値については、こちらの記事を参照いただけましたら幸いです。

改めて、50mm単焦点レンズとは、焦点距離が50mmに固定されたレンズのことを指します。そもそも「焦点レンズ」はズーム機能がないレンズのことです。そのため、撮影者が自らの足で被写体との距離を調整する必要があります。
ズームレンズに慣れていると、確実に「不便だなぁ…」と感じられると思います。

しかし、単焦点レンズはその不便さを補って余りある実力を持ち合わせているので、いつまでも根強い人気を誇るのです。ズームレンズのように、あらゆる焦点距離で画像が破綻しないよう計算する必要もなく、シンプルな構造がもたらす高い描写力を持つのが特徴です。

その中でも、特に50mmの単焦点レンズは、かつてはカメラのキットレンズとしても主流でした。
また、スペックに対して価格が低めに設定されていることもあり、最初に初心者が入手する単焦点レンズとしてもお馴染みです。
プロ向けの高級レンズも数多く存在し、幅広い層に愛用されています。

50mmレンズが標準あるいは基本のレンズとされる理由は、(フルサイズという前提はつきますが)その焦点距離が人間の視野に近い自然な画角を提供するため、と言われています。このため、被写体との距離感や構図が直感的に掴みやすく、初心者でも扱いやすいという理屈です。

APS-Cでの50mmレンズの使いこなし方

APS-Cカメラで50mmレンズを使いこなすためには、まず「標準ではない」と意識を改めることが大切です…
「中望遠レンズ」と認識したうえでその特性を活かし、被写体との距離を意識することが重要です。実際、ポートレート撮影では「85mm単焦点レンズ」が最も人気があるので、画角としてはポートレートに向いているはずです。

また、被写体~背景との距離を離せば離すほど、背景を美しくぼかすことができます。

フルサイズのカメラにおいて主に「ポートレート撮影」のため、プロのカメラマン達が、よく愛用している単焦点レンズに「85mmレンズ」も非常に人気で、中古市場相場でも常に高額です。
APS-Cで50mmレンズの使うと75~80mmなので、撮影範囲はかなり近いと言えます。
ただし、絞り開放値はフルサイズカメラ使用時に比べると大きくトリミングされてしまい、ボケている範囲が切り取られることで、絞った感じなります。
目安として「F1.8」のレンズはAPS-C機の場合「F2.8」あたりになる点はご注意ください。

50mmレンズの撮影テクニック

50mmレンズの魅力は、描写力の高さだけでなく、あらゆる場面で使えることが挙げられます。ポートレート、風景、ストリートフォト(スナップショット)など、様々なシーンで活躍するので、「これ一本」で撮影に臨む人もいます。

フォトあ

私もときどき50mm一本で出かけますよ💪

プリン

うわぁ自慢かなぁ😹

ここからは「フルサイズのカメラ」を想定したお話になります。
APS-Cの場合は「焦点距離30mm~35mm」、マイクロフォーサーズでは「焦点距離25mm」に相当しますので、その組み合わせのカメラ&レンズをお持ちの方・購入予定の方は、その前提で参考にしてみてください。

静物、モノ撮り

個人的に50mm単焦点レンズを使っているときは、近くのものを撮ることが多くなります。
スマホでは難しいボケの表現が、いとも簡単に可能だからです。

EOS 5D Classic+EF50mm f1.8ii
EOS 5D Classic+EF50mm f1.8ii

被写体に注目してもらいたい、背景の情報は必要ないときなどにおすすめ。芸術性も高まります。

ポートレート撮影

50mmレンズは、ポートレート撮影においても有効な選択肢と言えます。明るいレンズの特徴を生かし、背景を美しくぼかすことで、被写体となる人物を際立たせることができます。特に、開放F値が低ければ低いほど、浅い被写界深度を活かした美しいボケ味を得ることができます。

EOS 5D Classic+EF50mm f1.8ii
EOS 5D Classic+EF50mm f1.8ii

プロフィール写真でよく見る、主役の人が浮き立って後ろの木々がボケている写真は85mm、もしくは50mmの単焦点レンズで撮影されていることが多いと思われます。

風景撮影

風景撮影においても、50mmレンズはその高い描写力を発揮します。広角レンズに比べると当然狭くなるものの、「撮りたい!」と直感的に感じた画角を自然に捉えるので、風景をバランスよく撮影できます。
また、単焦点レンズの特性を活かし、開放値を絞ることで細部までシャープに描写することが可能です。

EOS 5D Classic+EF50mm f1.8ii
EOS 5D Classic+EF50mm f1.8ii

この作例は「F2.2」で撮っちゃってました。もう少し絞って「F5.6」とか「F8」あたりで撮ると、夕日がもっとハッキリして景色にもキレが出ていたと思います。

ストリートスナップ

ストリートスナップは広角レンズがおすすめですが、50mmレンズも向いています。サッと撮ったときも、やはり「自然な画角」が生きてきます。また、軽量でコンパクトなタイプが多いため、物理的に「目立たない」というメリットもあります。

NIKON D700+Ai AF NIKKOR 50mm f1.4D
NIKON D700+Ai AF NIKKOR 50mm f1.4D

唐突に白黒写真でゴメンナサイ。
さて、注意点ですが、やはり「広角レンズ」ほど広範囲を撮ることはできないため、スマホやコンパクトデジカメのような画角をイメージしていると、思ったより「切り取られた感じ」になることでしょうか。

50mmレンズの選び方とおすすめモデル

キヤノンの「撒き餌レンズ」と呼ばれる「EF50mm F1.8 ii」に代表されるような低価格のレンズから、「EF50mm F1.2 L USM」という、さらに明るいレンズで上級者向けの高級レンズまで、本当に様々なタイプがあります。
ご予算と仕上がりのお好みにより、自分に合う50mmレンズを見つけましょう。

勝手にカテゴライズしましたが、完全に主観です(笑)。安いレンズを初心者向け、高いレンズを上級者向けとしました。私は、いつまでも「中古で格安の優れたレンズ」を探し続けることでしょう…

初心者向けの50mmレンズ

初心者には、コストパフォーマンスに優れたエントリーモデルがおすすめです。
各社、一様にお手頃価格の50mm単焦点レンズとしてラインナップしているのが、最大開放値「f/1.8」のタイプです。

本記事の後半の作例は、キヤノン製「EF50mm f/1.8 ii」というレンズで撮影したものです。今は販売終了しておりますが、新品でも1万円台前半という低価格で、いわゆる「レンズ沼」にいざなうための「撒き餌レンズ」として知られていました。
現在は中古市場でしか手に入りませんが、上手く探せば10,000円を切る価格で入手可能です。

そのほかには、撒き餌レンズの後継「Canon EF 50mm f/1.8 STM」や「Nikon AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G」など、手頃な価格で入手できます。どれも格安ながら高い描写力を誇る、優秀なレンズ達です。

中級者向けの50mmレンズ

最初のエントリータイプで慣れてきたら、ステップアップして中級者向けのレンズに挑戦しましょう。
別に最初からこのクラスでもよいのですが、いきなり高額レンズを購入するのは気が引けますよね…

ポイントは、最大開放値が「F1.4」となり、エントリークラスの「F1.8」を上回っていること。当然それだけではなく、レンズの質が異なってくるのです。

このクラスでは、ソニーのミラーレスになりますが「FE 50mm f/1.4 ZAや「Sigma 50mm f/1.4 DG HSM Art」など、優れた光学性能がもたらす美しいボケ味は、エントリーモデルでは味わえなかった質感を感じられるはず…です。

単焦点レンズ フルサイズ対応
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最新のものは高額ですが、中古市場をがんばって探ればお安く手にすることができるかもしれません。

プロフェッショナル向けの50mmレンズ

プロフェッショナルには、最高峰の性能を誇るレンズが求められます。例えば、キヤノンのミラーレスであれば「RF 50mm F1.2L USM」。

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このあたりの高級レンズは所有していないため、カメラのキタムラ様のレビューサイトを参照願います🙇

他に、ライカの「ノクティルックス M50mm F1.2 ASPH.」は、私からすれば写りもお値段も神の領域で、”管轄外”です。単純にここまでレンズに出せる予算がございません(笑)。

単焦点レンズ フルサイズ
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こちらはライカの公式サイトです。カメラもライカ製を使うことになります。

紹介したレンズは「F1.2」が最大開放値ですが、「F1.0」や「F0.95」など、まだまだ明るいレンズはあります。
ご予算があれば、挑戦してみてください。

非常にざっくりですが、初心者向けは1万円、中級者向けは10万円、上級者向けは100万円と言った感じで、価格も跳ね上がっていきます。
目標地点によって、どこまでステップアップするかが決まりますね。

フォトあ

私もいつかは100万円のレンズを…🔥

プリン

…買えないでしょ😹

まとめ

50mm単焦点レンズが難しい理由、いかがだったでしょうか。

「50mmレンズ」はフルサイズ機を使用していれば、「標準レンズ」の名にふさわしい画角で使用できること、APS-C/マイクロフォーサーズ機で使用すると画角が狭くなり「中望遠~望遠レンズ」に変身してしまうことを、ご理解いただけたかと思います。

そして、APS-C機では「30~35mmレンズ」を、マイクロフォーサーズ機では「25mmレンズ」をそれぞれ使用することで、「フルサイズ機・50mmレンズ」の組み合わせに近い画角で撮影できることをお伝えしました。

まずはこのポイントだけでも押さえていただければ大丈夫です。
「OLYMPUS PEN・50mmレンズ」の組み合わせはフルサイズ換算すると「フルサイズ・100mmレンズ」と同じ画角なので「望遠レンズ」になる、といった感覚を身につけてください。

この記事の内容が読んでいただいた方にとって有意義であることを願います。
皆様も、せっかくレンズ交換式カメラを手にしているのであれば、ぜひ一歩上のカメラ・ライフを目指していきましょう!
私もまだまだ道半ばです。三歩進んで二歩下がる、ではないですけど本当に続けることが大切です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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