デジタル一眼レフカメラ推しの筆者ですが、この度”世界初“の「フルサイズ・ミラーレス一眼」、「SONY α7 初代(ILCE-7)」を中古で購入しましたので、いまさらですがレビューさせていただきます。
ブログのコンセプトを覆すつもり!?
そういうことではありません✋理由があります!
本ブログのメインは「古いデジタル一眼レフカメラ」に焦点をあてておりますが、ミラーレス一眼もいつの間にか、初期の機種は「古い」と言ってもよい時代となりました。
そこで、「10年以上前のミラーレス一眼カメラは、今でも使えるのか?」が、こちらの記事の主題となります。
結論から言うと、十分使えます!
何といっても、α7初代の魅力は「フルサイズ」であること。さらに「フルサイズ・ミラーレス一眼カメラ」における中古市場では「最安」の選択肢となっており、かなりお得感があること。
爆速オートフォーカスを期待すると厳しいですが、オールドレンズファンであれば、持っていて絶対に損はしない逸品だと思います。
“カメラ”としての問題点は無し!
…言い切ってしまいましたが、前提として「最新のαシリーズ」と、じっくり比較しないようにしましょう。
あらゆる性能面で劣っているのは当たり前です。
あくまで「フルサイズの一眼カメラ」として使うことをおすすめします。
今や発表から10年以上の月日が経過したミラーレス一眼カメラ、SONY α7初代。
中古市場での下限は5万円台で購入できる状況となっており、まさに「最強コスパ」です。
“ミラーレス一眼カメラ”の中でも、イメージセンサーがフルサイズのタイプで、ここまで格安で入手できる機種は他社を含めてα7初代のほかにありません。
こちらの作例は、各社「単焦点レンズの入門」としてお馴染み?、「焦点距離50mm&最大開放値F1.8」というスペックの単焦点レンズ「FE50mm F1.8」で撮影しています。
安定のボケ感ですね。最初に買っておきたい単焦点レンズです。
中古市場であれば、α7初代本体とこのレンズで、7万円あれば揃えることが可能です。
余談ですが、初代の次に発売された「α7ii」も、既に中古市場では本体のみで7万円台から出回っております。単焦点レンズFE50mm F1.8込みでも10万円以内で揃えられますね。それにしても安いです…
ここからは、ときどき作例を挟みながら「α7初代」の魅力について触れていきたいと思います。
オールドレンズと相性が良いです
コスパ最強の理由
まずは、なぜここまで中古相場における価格が下がっているのか?という点です。
理由はいくつか挙げられますが、一番大きな理由は「α7初代が発売されたのが2013年で、フルサイズミラーレスの中では最も年数が経過していること」ではないでしょうか。
世界初だけあって、最古参のフルサイズ・ミラーレス。ソニーではここまで積極的に新機種を展開しており、最新型の同タイプと比べると、どうしても機能面で見劣りしてしまいます。
世界初というアドバンテージは相場価格に反映されないようですね(笑)。
では、コスパ最強と言える理由を検証してみましょう。
色あせない価値
発売から10年以上が経過したSONY α7初代ですが、今でもその価値は色あせておりません。コンパクトさでは最新機種に勝ります。何より、α7は「フルサイズセンサー」を搭載しているので、35mmフィルムの一眼レフと同等のサイズで撮影が可能です。そして、大きさも重さも一眼レフカメラより格段に小さいです。当然、旅行でもそこまでかさばらず・重くならず、日常のスナップ撮影も気楽にこなせます。
ボケの表現を追求するなら、なんといってもフルサイズですよねぇ♪
そのせいで、最新のAPS-C機より、古くてもフルサイズ機に魅力を感じてしまいます💦
“フルサイズの魅力”については、別の記事で詳しく記載しておりますので、ぜひご一読ください。
性能が見劣り⇒でも十分です!
一方で、測距点の数が最新機種に比べると圧倒的に少ない、オートフォーカスの精度やバッテリーの持ちがよくないなど、どうしても最新機種に比べて見劣りする点が多くなってきています。これらの点がネックとなり、価値が下がり続けているのではないでしょうか。
しかし、中古相場価格は、性能に対して下がりすぎではないかと感じるほどです。特に、初めてフルサイズミラーレス一眼を手にする方には、依然として価値のある選択肢と言えるでしょう。
私個人の話になりますが、メインで使用しているカメラは、ひと昔前の「デジタル一眼レフカメラ」ですので、α7初代は「普通に高性能」に感じてしまいます(笑)。
常に最新のカメラで、真っ先に高性能を体感したいとか、予算はたっぷりあるとか、そういうことでもない限り、価格以上に「十分期待に応えてくれるカメラ」だと思います。
α7初代のメリット
ここからは主なメリットを4つ挙げてみましたので、具体的に見ていきましょう。
- フルサイズの画力
- コンパクト・ボディ
- リーズナブルな価格
- オールドレンズの選択肢が広がる
個人的には、4つ目の「オールドレンズの選択肢が広がる」が大きなメリットです。
というより…何を隠そう、私はこの用途のためにα7を購入したのです。
フルサイズの画力
メリットの1つ目は、繰り返しになりますがα7初代はフルサイズセンサーを搭載しております。
その画質の高さは、「デジタル一眼レフカメラ」で採用されて以来、揺るぎない評価を受け続け、プロのカメラマンが仕事などのメインで使うカメラは、基本的にはフルサイズと言っても過言ではありません。
特にミラーレス一眼が主流となった今では、例えば光に乏しい状況でも、ISO感度の性能がグンと高まっており、主役の座を明け渡したデジタル一眼レフを上回っております。
なので、夜景や室内での撮影において性能を発揮します。その高精細な画質は、プロフェッショナルな写真を求める方にとっても、非常に魅力的です。
フルサイズの大きなイメージセンサー
フルサイズとは、「フィルム一眼レフカメラ」の35mmフィルムと、ほぼ同じサイズということです。
この作例も「FE50mm F1.8」で撮影しております。
APS-C機で「50mm」のレンズを使用して撮影すると、フルサイズ換算で「75mm」のレンズを使うのと同等の画角となり、画角が狭くなりますが、α7シリーズはフルサイズなので、焦点距離が50mmのレンズなら、設計どおり50mmそのままの画角で写真が生成されます。
急にそんな説明されても…🙀
APS-C機で同じレンズを使うと、ちょっと望遠寄りになります。
※詳しくは後述「オールドレンズの選択肢が広がる」で解説します。
ミラーレスならではのコンパクトさ
メリット2つ目は、(ミラーレス一眼カメラ共通の話ではありますが)そのコンパクトさです。
「デジタル一眼レフカメラのフルサイズ機」は、とにかく大きさも重さも”超一流”です。
しかし、α7は同じフルサイズでもミラーレス一眼ということで、小さく・軽くなり、扱いやすさは比べものになりません。これは、旅行や日常のスナップ撮影においても本当に大きな利点となります。当然、女性にも子供にも優しいということが言えます。
私も年齢を重ねるにつれ、「フルサイズデジタル一眼レフカメラ」に「大口径のドでかいレンズ」を組み合わせて、肩からぶら下げて歩き回るのは、正直辛いときがありますが、ミラーレス一眼であればそのような悩みからは開放されますね。
リーズナブルな価格
メリット3つ目も繰り返しになりますが、中古市場において格安であること。私の購入動機のひとつでもあります。
α7は、フルサイズミラーレス一眼の中でも群を抜いてお買い得価格となっており、初めてフルサイズミラーレス一眼を手にする方には、コストパフォーマンスの高さから考えても「良い選択」と言えるでしょう。
これは、高品質な写真を撮影したいけれども、プロ仕様のフラッグシップ機は高価で手が出せないという方にとって、大きなメリットとなります。
まさに私のことです!カメラに数十万円なんて、無理です💧
安いカメラやレンズをちまちま買い続け、結局数十万使ってるんじゃ…😹
オールドレンズの選択肢が広がる
最後、4つ目のメリットです。
実はこれこそが、私がα7を買おうと思った一番のキッカケでもあります。
オールドレンズはフルサイズ!
まず、オールドレンズと呼ばれているのは、基本的に「35mmフィルム時代」のレンズ群です。
この35mmフィルムのサイズに合わせて開発されたのが「フルサイズ」のイメージセンサーなので、当時のレンズの画角を最大限生かせるというわけです。
α7を購入するきっかけとなったオールドレンズ、「INDUSTAR И-61 52mm F2.8」をα7で撮影した作例に、同じ場所からAPS-C機で撮影した、と想定した画角を当てはめると、ここまで差が出ます。
「じゃあ、自分が下がって同じ画角で撮れば済む話では?」とのご意見もあるかもしれませんが、そうすると、フルサイズと同等の「豊かなボケの範囲」は得られません。
なぜなら、面積でいうと「ほぼ半分」という、かなりの範囲が「枠外」となってしまうから、です。
結果的に、APS-C機は「35mm(フルサイズ)のレンズ」の能力を生かしきれない、ということになるのです。
※こちらの記事もご参照ください。
一眼レフよりセットしやすい
ミラーレス一眼カメラは、レンズの向こうはすぐにイメージセンサーです。
「デジタル/フィルム一眼レフカメラ」のように「レンズとイメージセンサーの間のミラー」がないため(だから”ミラー・レス”ですね)、「ミラー干渉」のような一眼レフ独特の問題が起きないため、規格の異なるオールドレンズに対して柔軟性が高いのです。
このミラーがミラーレスには無い!
こちらは「α7初代」にオールドレンズ「INDUSTAR И-61 52mm F2.8」をセットした状態です。
余談ですが、私の「α7購入までの流れ」を時系列で示すと、以下の通りです。
- ライカL39マウントのレンズ「INDUSTAR И-61 52mm F2.8」を入手
- L39マウントのレンズとEマウント(SONYミラーレス)を繋ぐアダプターがおまけでついてきた
- Eマウントのカメラがなかったので、(リーズナブルな)α7初代を購入
先にレンズとマウントアダプターを入手し、それを使うためにカメラを買うという、ちょっと通常ではありえない順番で辿り着いたのでした…
なので、「α7初代」が欲しかった、というわけではないです…😅
こちらが、その「INDUSTAR И-61 52mm F2.8」をα7に装着して撮影したものです。
微妙な作例とは思いますが、ボケも穏やかで個人的には満足できる仕上がりでした!
α7初代のデメリット
いいことばかり言っていてもあれなので、デメリットにも触れておきましょう。
オートフォーカスの速度
α7のオートフォーカスの速度は、現代のカメラに比べると見劣りします。オートフォーカスの進化はメーカーの見せ所でもあるので、常に精度は高まっているでしょう。特に、動きの速い被写体を撮影する際には、この点がネックとなることがあります。これは、スポーツや走り回る子供といった、動体中心の撮影のときにストレスになるかもしれません。
私は普段から、ひと昔前の「デジタル一眼レフカメラ」を使用しているせいなのか、α7初代のオートフォーカスは気になるような遅さではありません。
もう少し撮影を繰り返してみて、判断したいと思います。
バッテリーの持ちがイマイチ
α7のバッテリーの持ちは、多数のユーザーさんがブログで触れていますが、とにかくよろしくないようです。長時間の撮影をする際には、予備のバッテリーを持っていたほうが安心です。乾電池が使用できるわけではないので、旅先で充電器も予備バッテリーも忘れてしまうと、途中で切れて悲しい気持ちになるかもしれません。また、イベントの撮影のように撮影枚数が多くなりそうなときも、気を付けたほうがよいでしょう。
レンズの選択肢が少ない
α7は、SONYのミラーレスの規格で「Eマウント」と呼ばれるものです。ミラーレスの歴史はまだまだ浅いため、レンズの選択肢は限られます。かなり種類も増えてきましたが、何といっても高額なレンズが多くて、ちょっとまだ買い足そうという気持ちにはならないですね。
差し当たりの解決策は、マウントアダプターを使って、異なるマウントのレンズを使うことでしょうか。
それはつまり、主に「オールドレンズ」を使うということ。
私の持っている「INDUSTAR И-61 52mm F2.8」は「L39」というマウントです。
Eマウントのα7と、L39マウントのオールドレンズを使うためには双方を繋ぐマウントアダプターがあれば、すぐにかないます。
本体に手ブレ補正機能がない!
これは私にとって盲点だったのですが、SONYのデジタル一眼レフカメラには、α200などのエントリー機でも手ブレ補正機能があったので、「ある」と思い込んでおりました。
手ブレ補正機能は次の「α7 ii」から追加されました。
個人的には、日中の明るい時間帯での撮影がメインなので、さほど気にしてはいないのですが…
あると思っていた機能がなかったとき、ちょっとショックですよね。
なので、「本体手ブレ補正」は欲しい!という方は「α7 ii」以降の購入をおすすめします。
まとめ
10年前のカメラの実力
10年を超える歳月を経ても、α7の価値は依然としてあります。そのコンパクトさと高画質は、現代のカメラと比較しても、まだまだ魅力いっぱいです。これは、α7がフルサイズセンサーを搭載していることにより、一眼レフと同等の画質を持ちながら、その本体サイズと重量は一眼レフの半分だったりするからです。
初心者におすすめ
α7は、初めてフルサイズミラーレス一眼を手にする方には、コストパフォーマンスの高さから見て良い選択となるでしょう。これは、高画質な写真を撮影したいけれども、一眼レフは高価で手が出ないという方にとって、大きなメリットとなります。
私も「フルサイズ・ミラーレス」は初なので、ある意味「初心者」です。
最新機種との詳しい比較は敢えて行っておりません。
これから撮影の機会を増やし、初代に宿る「メーカーの意気込み」を感じようと思います!
古いα7初代で新しい写真の道を。
ということで、α7は依然として価値ある選択肢であることを書いてまいりました。
特に、これまでスマホやコンパクトデジカメでしか撮影したことがなかった方は、初めてのフルサイズ・ミラーレス一眼として、「α7初代」はおすすめです。
ここまで書いてきた「コストパフォーマンスの高さ」から見て良い選択となるでしょう。
そして何より、フルサイズの魅力を味わってください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。