【レビュー】MC ROKKOR-PG 50mm f1.4 父から譲り受けた銘玉で田舎の情景を切り取る

MINOLTA MC ROKKOR PG 50mm f1.4
目次

懐かしい光に導かれるように…

古いレンズを手にすると、どこか心がざわつきませんか?

「MINOLTA ROKKOR MC 50mm f1.4」で検索されたあなたは、その柔らかなボケや独特の写りに惹かれているのではないでしょうか。
写りだけではなく、ピントリングを回すときの滑らかな感触、絞りリングからコクッと伝わる感覚も魅力ですよね。
そしてカメラのファインダー越しに見る温かみを感じる光景…
このレンズで、どんな写真を撮りたいですか?

プリン

えらい感傷的な💦どうかしたん?

フォトあ

今回のオールドレンズには、特に思い入れがあるのです✨


というのも、このミノルタの古いレンズは、父が1970年代後半に、私が生まれた記念にカメラと共に購入したものだからです。
私も十数年前、カメラを本格的に始めた頃はその存在をすっかり忘れていたのですが、このブログを書き始めた頃に思い出し、親にお願いして田舎の押し入れにしまってあったものを持ってきてもらったのです。
なので、”受け継いだ”のは最近です(笑)。

実は、以前に一度「デジタル一眼レフカメラ」で記事をUPしており、第二弾となります。
今回はカメラを変えて、「ミラーレス一眼カメラ編」ともいえるレビューとなっております。
そちらの”デジタル一眼レフ編”も、ぜひご一読ください。

田舎の押し入れで数十年放置されていたので、当然カビだらけだろうと思っていたのですが、意外にも綺麗な状態が保たれていて驚いたのを覚えています。
今回、田舎にこのレンズを連れて里帰りし、たくさん写真を撮ってきました。
やはり味のある仕上がりには満足です✨
ということで、この記事では「ROKKOR MC 50mm f1.4」の魅力を、のんびりとお伝えします。


ボケ、発色ともに良好です♪

SONY α7+MC ROKKOR-PG 50mm f1.4

その他の作例は、記事の後半で!

使用したカメラは「SONY α7初代」

柔らかな描写:ROKKOR MC 50mm f1.4の歴史と設計

ミノルタ ROKKOR MC 50mm f1.4を手にすると、まるで1970年代にタイムスリップした気分になる…というと大袈裟でしょうか。
このレンズは、ミノルタが1973年に発売した標準レンズでありながら、今も魅力いっぱいの銘玉です。7枚6群のガウス型設計、f1.4の明るさ、そしてミノルタのマルチコーティング(MC)が特徴です。

このレンズが今も愛される理由とは?

なんといっても「f1.4」ということで、明るいレンズ=豊かなボケが得られるのが一番の理由だと思います。
それだけなら新しいレンズでいいじゃん、と思われるかもしれませんが、一般的にオールドレンズは、デジタル時代の”優等生”な写りが求められる最新レンズでは表現し難い「柔らかい描写」や「立体感」がより強く感じられるものです。
それが単純に良いか?というと、「被写体が忠実に再現されない」「収差が多くて実用的でない」などということも意味するため、好みは分かれるところかもしれません。

あとはやはり、お手頃価格で入手できること、でしょうか。
最新レンズの「50mm f1.4」となると、安くて数万、上を見れば数十万…とキリがないです。
もちろん、オートフォーカスも補正も効かない、全てがマニュアルという条件なので当然ではありますが…

さて、唐突ですがこちらの写真、ミノルタのフィルム一眼レフカメラ「SR T SUPER」と今回のレンズを組み合わせた状態です。

MINOLTA SR T+MC ROKKOR-PG 50mm f1.4

まさに父親がかつて撮影していたカメラとレンズの組み合わせそのものです。
※ただし、今回この組み合わせで撮影したわけではありません💦

プリン

見てほしかったのね😹

改めまして、こちらが今回使用したカメラです。
ミラーレス一眼の中でも、かなり古い部類に入る「SONY α7初代」と組み合わせて撮影しました。

SONY α7+MC ROKKOR-PG 50mm f1.4

α7についての詳しい記事はこちらです!ぜひお立ち寄りください。

新しいカメラと古いレンズがセットできるの?

もちろん、昔のレンズなのでそのまま取り付けることはできません。
カメラ側とレンズ側の接点、つまり「マウント」の形状が異なるためです。
下の写真に示しましたが、カメラとレンズの間に「マウントアダプター」を装着します。

SONY α7+MC ROKKOR-PG 50mm f1.4

この組み合わせの場合、それぞれのマウントは以下のとおり。
・カメラ側は「SONY Eマウント」
・レンズ側は「MINOLTA MDマウント」

なので、「Eマウント⇔MDマウントの仲介役」となるアダプターをひとつ噛ませることになります。

セットした状態。これで撮影できるようになりました!

SONY α7+MC ROKKOR-PG 50mm f1.4

マウントアダプターは純正品・社外品含めて様々ありますが、オールドレンズの場合は”基本的”に「社外品」となります。いろいろなメーカーから出されているので、検索してみてください♪

撮影設定:基本的に絞り開放です

賛否両論あるかとは思いますが、私の場合、基本的に絞りは「最大開放」で挑みます🔥。
今回のレンズであれば「f1.4」ですね。
当然、真昼間の晴れた屋外での撮影となると、一番早いシャッタースピードでも画面が白飛びする可能性があるのでNDフィルター(レンズにつけるサングラスのようなもの)が必須だったりします。

また、絞りを最大に開放するため、作例は周辺光量落ちが目立ちます。
解決策は当然「絞ること」。収差が減り、シャープネスも向上しますが、絞ってしまうとレンズの個性が伝わりません。変なこだわりかもしれませんが、「それでも開放f1.4ならf1.4で撮りたい」と思ってしまいます。
「ボケが好き」という単純な理由もありますし、クセの強い仕上がりも好きなので尚更です(笑)。
なので、作例は「レンズのクセ優先」と思ってご鑑賞ください(笑)。
皆さんは、光量と被写体距離を考慮して、お好みの設定を探してみてくださいね。

作例:ROKKOR MC 50mm f1.4で田舎を撮ろう

郷愁の瞬間:田舎の風景をROKKORで切り取ります

父から譲り受けたROKKOR MC 50mm f1.4で田舎を撮るのは、何とも感慨深いものです。
ところが、数日間の滞在のうち、初日から前半は大雨が続きました…

最初はガッカリしましたが、縁側から雨降る夕方の庭を撮ると、田舎らしい素敵な雰囲気がたっぷり出ました!

屋外編

SONY α7+MC ROKKOR-PG 50mm f1.4

薄暗くなってゆく時間帯でしたが、「明るいレンズ」のお陰で手持ち撮影でも全く問題なしでした。

SONY α7+MC ROKKOR-PG 50mm f1.4

私はこのレンズの「記憶を呼び起こす」ような写りが大好きです。皆さんでしたら、どんな光景をこのレンズで残したいですか?田舎ではなく、大都会かもしれないですね。どこを写しても良き味を醸し出してくれると思います。

翌朝、雨が上がったので川辺で撮影。この感じ、なかなかよいではありませんか。

SONY α7+MC ROKKOR-PG 50mm f1.4

ROKKORのボケは例えるなら水彩画のようです。少しざわつく感じもしますが、よいボケ感です。

SONY α7+MC ROKKOR-PG 50mm f1.4

…若干二重ボケな感じもしますね。こちらのバケツは仕込みではありません(笑)。

SONY α7+MC ROKKOR-PG 50mm f1.4

続いて、海岸のほうへ足を運びました。
この”表現力”が好きです。最新の技術で補正されないのですが、そのほうがレンズごとのクセが出て面白い仕上がりになりますよね。この感じを好きになってくれたら嬉しいです。

SONY α7+MC ROKKOR-PG 50mm f1.4

こちらは砂浜に生えていた草。やはり二重ボケの感じが少し強いですね。

SONY α7+MC ROKKOR-PG 50mm f1.4

こちらは、晴れた日の裏庭の様子です。数年前まで点灯していた裸電球はもう点かなくなっていました…
丸ボケは絞り羽根の影響で、少し楕円形寄りですね。

SONY α7+MC ROKKOR-PG 50mm f1.4

親子亀を背後から狙うタヌキ…(笑)

SONY α7+MC ROKKOR-PG 50mm f1.4

屋内編

おじいちゃんがかつて壁に敷き詰めたマッチ箱。これもオールドレンズによりレトロな雰囲気が倍増してます。

SONY α7+MC ROKKOR-PG 50mm f1.4

一般的にオールドレンズは逆光に弱いとされますが、これくらいなら問題ないですね。

SONY α7+MC ROKKOR-PG 50mm f1.4

作例は以上です。

ピントがはっきりしていなかったり、いろいろ感じられることはあるかと思いますが、ご容赦ください🙇
いい写真でしょう!ということではなく、そのとき「いいな✨」と思ったときにシャッターを切っています。

皆さんもぜひ、カメラを持ってお出かけしてみてください。
そして、「あっ✨」と思ったときにシャッターを切るのです!

実践データ:メンテナンスと相性の良いカメラ

ROKKOR MC 50mm f1.4を長く使うには、他のレンズと同様にメンテナンスが欠かせません。新しい・古いにかかわらず保管の方法によってはレンズにカビが生えてしまいます。清掃して使えるかも、と思って「格安・カビありレンズ」を何本か購入してバラしてみましたが、オートフォーカスタイプは全部失敗しました(泣)。
レンズの分解清掃は、根気があって器用じゃないと難しいのです。

私が購入したものでカビが生えたことはありませんが、湿度管理が重要です。
今回も屋内からではあるものの大雨が降り続く中で撮影したため、すぐにしまわず外に出しておき、晴れた日に少し外に出しておいたあとにしまうようにしました。

現代レンズとのギャップ

「最新レンズの方が楽じゃない?」と言われたら、間違いなく「イエス」です。
写りも「高画質」を求めるなら、全く歯が立ちません。
ROKKOR MC 50mm f1.4に限らず、この時代のレンズにはオートフォーカス機能がないので、全て自力で頑張るしかありません。マニュアルフォーカスは最初こそ戸惑いますが、ピントリングをゆっくり回して被写体をクッキリさせてシャッターを切ればよいのです(笑)。
当然、急いでピントを合わせようとするとブレた写真を量産してしまうので、動体撮影は困難を極めます。
それでも呼吸を整えたり、ひとつ深呼吸したりして、それからシャッターを切るなど、慌てないことがコツです。
そんな苦労するくらいならAFレンズで十分じゃないか、という声が聞こえてきますが、オールドレンズの絵筆で描いたような柔らかさを体験してみてほしいです。撮った写真を見た瞬間、手間をかけてでもこのレンズを選ぶ理由が分かっていただけるのではないでしょうか。

プリン

ちょっと押しつけがましいような…

実戦ノウハウ:田舎での撮影テクニック

田舎の風景をROKKOR MC 50mm f1.4で撮るなら、時間帯を工夫するとよいと思います。
作例のような雨降る夕暮れとか、雨上がりの夜明けなど、抒情的な写真が期待できます。太陽が昇る頃・沈む頃の柔らかい光は、レンズの特性を引き出します。一般的に、ゴールデンアワー(日の出・日没30分前後)が推奨されますが、ROKKORであれば霧や曇天でも独特の雰囲気を生みます。

ぜひ、日本の原風景をこのレンズで撮影してみてください。


総括:温かい光・柔らかい陰を捉えよう

ミノルタ ROKKOR MC 50mm f1.4は、ただ単純に古いだけのレンズではありません。
田舎の畦道や山・海辺の空気感を閉じ込めるように撮影することができます。

あなたも、家族の記憶や故郷の風景をこの銘玉で残してみませんか? f1.4で夕暮れを狙い、カシャッとシャッターを切れば、きっと心に残る一枚が生まれます。失敗を恐れず、まずは近所の公園で試してみるのもよいでしょう。

どんな物語をこのレンズで紡ぐかは、あなた次第です♪
手に入れたらその週末に、カメラとレンズを手に田舎道を歩いてみてください!
あ、その前にマウントアダプターをお忘れなく👍

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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