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こちらの記事は、20世紀終盤となる1999年に発売された、キヤノン製・デジタル一眼レフ用の望遠ズームレンズ「EF75-300mm f4-5.6 iii USM」の実写レビューと作例の紹介です。
このレンズは私の中では”古いレンズ”に入らないのですが、発売から20年以上経過しており、中古市場における相場が下がってきております。
今回のレンズは、なんと「1100円(税込)」でジャンク棚から救出しました!
ユキヒョウをイケメンに捉えました
1000円台は珍しいですが、安くなっている大きな理由は「手ブレ補正機能」が付いていないことだと思います。
キヤノンで手ブレ補正機能が付いているレンズは、製品名に「IS (IMAGE STABILIZERの略)」の文字が入っているため、機能の有無を識別できます。
同じ90年代に先だって発売されている、手ブレ補正付きの「EF75-300mm F4-5.6 IS USM」は、中古相場で倍くらいしている感じです。
ジャンクで1100円という破格でゲットしたレンズの実力を確認してまいりましょう!
EF75-300mm f4-5.6 iii USMの基本情報
キヤノンのズームレンズ「EF75-300mm f4-5.6」というスペックのものは、1991年から1999年にかけて7種類が発売されていて、今回入手したのは同スペックの最終となる「iii」、三代目です。
2000年代には「70-300mm」となり広角側が進化したので、75-300mmシリーズ(?)は見事に「90年代を駆け抜けた望遠ズーム」なのです。
なお、製品名の末尾にある「USM」とは、ウルトラソニックモーターの略です。その名の通り、「超音波」のモーターが採用されているため、オートフォーカスの際は静音=ほとんど無音です。USM、もしくは「STM(ステッピングモーターの略)」がないレンズは、フォーカスするときに「ジー」という音がします。
今回の相棒、キヤノンデジタル一眼レフカメラ「EOS 5D mark iii」に取り付けると、こんな感じです。
「EOS 5D mark iii」は2012年発売なので比較的新しいですが、全く違和感ありません。
…まぁ、キヤノン同士なので当然ですね(笑)。
今回のその他の作例も、全てこちらの「EOS 5D mark iii」で撮影されたものです。
個人的な理由をダラダラと…💧
レンズのスペックと概要
EF75-300mm f4-5.6 iii USMの主なスペックは以下の通りです。また重さは480gで、どちらかというと軽量ですね。
EF75-300mm f4-5.6 iii USM | |
---|---|
センサーサイズ | フルサイズ対応 |
焦点距離 | 75-300mm(フルサイズ) / 120-480mm(APS-C) |
最大開放値 | 広角端:f4、望遠端:f5.6 |
マウント | CANON EFマウント |
最短撮影距離 | 1.5m |
発売時価格 | 43,800円 |
中古市場相場 | 10,000~15,000円 |
詳細は、公式サイト「CANON CAMERA MUSIUM」を参照願います。
このレンズは「ザ・望遠ズームレンズ」といえるような、いわゆるオーソドックスな仕様です。
「手振れ補正機能」は付いていないため、暗所での撮影や、絞り込んでの撮影は手ブレに注意です。
こちらが望遠側にズームした状態です。ズームは一般的な「回転式」で、最新のレンズと造りがほとんど変わりなく、どこにもオールド感は感じられません。
…何か特徴を書こうと思ったのですが、本当に平凡なレンズなので(CANONさんゴメンナサイ)、作例にサクッと進みたいと思います。
実写レビュー
ここからは実際の作例をもとにEF75-300mm f4-5.6 iii USMをレビューしてまいります。
「ジャンク」で購入したものの、オートフォーカス問題無し、ズームリング問題無し、そしてレンズはカビ無しという優等生でした。ジャンクとされた理由は外側に少し傷があるから、かもしれませんが不明です。
舞台は名古屋市にある「東山動物園」です!
実は、東山動物園は複数回行ってます。今回のレンズだけではなく「SIGMA製」の望遠ズームレンズについてもレビュー記事を書いておりますので、ぜひ見比べてみてください!
そして、今回レンズフードを装着しておりません。本来、特に屋外ではレンズフードを使用したほうがよいのですが、本体1,100円のためケチってまだ購入していないのです…
動物をアップで捉える
今回の「EOS 5D mark iii」と「EF75-300mm f4-5.6 iii USM」の組み合わせは、やはりビシッと撮れますね。
普段はもっと古いレンズと古いカメラで撮影しているので、洗練された5D mark iiiとキヤノン純正望遠ズームレンズはある意味安心感があります(笑)。
プラスチックのドラム缶?を押さえつけるシロクマ、名前はフブキさん。
こういう遊具でストレスを解消しているのでしょうか。描写は鮮明ですね!
こちらはスマトラトラのアオさん。首をかしげるような体のクセがあるとのこと。
トラ舎は広くて、アオものびのび、リラックスしているようですね。
それでも、2024年に相方?のダマイが旅立ち、今は独りぼっち。
こちらはユキヒョウのユキチ。ブログの最初に登場したのはリアンで、”別人”です。
あ、動物の紹介ブログではなかったですね💦
ほとんどの作例は望遠端、つまり「300mm」側で撮影し、アップで捉えています。
また、動物園で撮影するときの悩みとして、「金網がジャマする問題」があります。
被写体の動物が金網のある檻にいると、金網がしっかり写ったり、金網にピントが合ったりしてしまいますよね。
一眼カメラの望遠レンズは、金網と動物の間が離れていれば、金網は「前ボケ」となって薄くなったり、ほとんど消えてしまいます。スマホは基本的に「パンフォーカス」といって、捉えたものにほとんど焦点が合ってしまうので、金網もしっかり見えてしまうのです。
それでも、オートフォーカスにしていると「金網」に合ってしまうことがあります。
その場合は、マニュアルフォーカスにして自分で動物にピントを持っていくことで解決します。
こちらは夜行性のコーナーにいたウォータードラゴン。寝てますね💤
鮮やかな緑色の表現もですが、前ボケと背景のボケがとても自然です。ピントが合っているところはウロコがひとつひとつしっかり見えて立体感があります。
レンズだけではなく「EOS 5D mark iii」の力も大きいとは言え、現代でも全く問題ない仕上がりですね。
2024年、東山動物園で最も話題となったコモドドラゴンのタロウくんです。
こちらを見る姿は愛嬌たっぷりですが、爬虫類の中では強いとのこと。
奥のほうにいることが多いですが、望遠レンズならこの通りです。周辺減光が発生しているようです。
レンズの作例というより、動物紹介となっておりますが💧
こちらはオグロプレーリードッグです。背景がしっかりボケました。
この望遠レンズは廉価版なので、スペックも標準的です。そうすると、絞り最大開放値は広角端で4、望遠側では5.6となり、明るいレンズの最大開放値「F2.8」などと比べると暗いわけですが、望遠レンズは被写体と背景の距離さえ取れていたら、しっかりボケてくれます。
こちらのニホンザルは背景とぴったりくっ付いているので、当然ボケ感は無しですね。
こちらのシマウマは少しだけ逆光気味なので、正面とヒゲが輝いています。
東山動物園と言えば今でも「コアラ」の印象は強いのでしょうか。眠っていたのに、ふと顔を挙げた瞬間です。
肉眼だと、ここまでコアラのモフモフ感は分からないですよね。
ここからは動物以外の作例です。
あさイチ、まだ誰も乗っていないボートが整列してました。
全般的に「良く写っている」という印象です。やはりカメラの力も大きいですが、90年代の望遠レンズは設計がしっかりしているのだと思います。デジタル時代到来前なので、「デジタル設計」のレンズ群には敵わないとは思いますが、趣味で撮影するぶんには十分ではないでしょうか。
こちらは東山タワーに向かう、長いエスカレーターです。このアングルで撮りたくなる気持ちはお分かりいただけたかと思います(笑)。
以上、作例でした。動物園の紹介になってしまいましたが、望遠レンズの被写体としておすすめです。
EF75-300mm f4-5.6 iii USMの魅力
作例を見ていただいて、普通では?などいろいろ思うところはあるかもしれません。私は基本的に「高機能・高精細」を求め続けていないため、「最高のレンズ探し」のお役には立てませんが…この先、日の目を見ることのないであろうカメラやレンズについては「まだ使えますよ👍」とお伝えしていくつもりです。
EF75-300mm f4-5.6 iii USMも、そんなレンズの一人かなぁと思います。
キヤノンEFマウント自体がお買い得に
今回のレンズは標準ズームレンズなので、そもそも流通量が多いことから中古市場でもよく見かけます。
SONY / MINOLTAの「Aマウントレンズ」とは違って、そこまで値崩れしているわけではありませんが、同時代の似たタイプも含めて10,000円前後で入手可能です。
安くなっているもう一つの理由は、デジタル一眼レフカメラ用だからです。
ミラーレスが主流となった現在、キヤノンの主力は「RFマウント」であるため、一眼レフ用の「EFマウント」から乗り換える人が多数おります。
なので、あまり酷使されていないような美品も見つけやすい状況です。
軽い
もう一点、この種の「廉価版(というと語弊がありますが)望遠ズーム」は総じて軽めなのが特徴です。
ちょっとした外出、には荷物になるかもしれませんが、「スマホのズーム」では体験できない「背景のボケ」を体感できます。
カメラまで大きいのを持っていくとさすがに激重ですが、EOS KISS DIGITALなどの「APS-C」タイプであればそこまで重くならないはず…です!
入手方法と、まとめ
購入時の注意点
こちらのレンズは販売終了しておりますので、もちろん中古市場を探すしかありません。
同じタイプではなくても、検索キーワードを「EF 75-300」など減らしてみると、同じ時期の似たレンズも対象となります。
もしミラーレスカメラで使いたい!という場合は「マウントアダプター」が必要です。
キヤノン同士であれば、EOS RシリーズのRFマウント、また既に終了したEOS Mシリーズも純正のアダプターがあり、オートフォーカスも有効となって便利です。
おすすめの購入先
どこで買うのがよいか?というと、いつも同じ答えになるのですが、専門の中古カメラショップです。保証がしっかりしていることが多いので、何かあったときに頼ることができるからです。
保証がある分、専門ショップの価格は高めになります。保証よりもお値段を重視するなら、フリマアプリで検討することになりますが、故障品を掴まないようにしてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。お気軽に望遠レンズを始めるのにちょうどいいように思います。
あなたもぜひ、中古望遠ズームレンズの世界へ足を踏み入れてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。