満月の写真は三脚要らず?撮り方は望遠レンズ・手持ちでOK!ミラーレス/デジタル一眼カメラ撮影のコツ

eye-full-moon

皆さんは満月を撮影したことはありますか?
ネットでよく見る、クレーターが分かるような写真です。

いざ、満月をスマホで撮影しようとしても、なかなか厳しい結果になるのですが、ミラーレスやデジタル一眼レフなどのカメラと望遠レンズがあれば、思った以上に簡単に撮影できます。
どちらもお持ちの方は、早速満月の夜に挑戦してみましょう!

結論から言えば、誰でも手持ちで簡単に撮れます。
満月撮影に特化したマニュアル設定は必要ですが、覚えてしまえば後は撮るだけです♪

プリン

言い切りましたな!大丈夫かい?

フォトあ

まぁ実績もあるし、大丈夫と思われ…💧

そのマニュアル設定とは、「F値・ISO感度・シャッタースピード」の3つが対象です。
そこで、私の個人的な手持ち撮影の初期値、「888の法則」をお伝えしておきます。

  • F値:
  • ISO感度:00
  • シャッタースピード:1/00

…プロの方から怒られるかもしれませんね。
明るい満月だと白飛びする可能性もあり、決して万能というわけではありません。
ですが、おすすめの設定値がバラバラしているとどうしても覚えづらいので、まずは覚えやすい数字でセットしておいて、調整していこうという狙いです。
詳細は、この後の記事をご一読ください!

目次

まずは満月の作例から。

満月と言いつつ、満月ではなく正確には「月齢13」といったところでしょうか。

moon-fullsize-300mm
プリン

おほっ!こんなにでっかく撮れるんですねぇ♪

フォトあ

いえ💦実は拡大してます…実際は以下のような大きさに。

種明かしというか、元の写真はこちら↓です。
フルサイズのデジタル一眼カメラで、望遠レンズ「300mm」で撮影したものです。
実際の写真としては、これくらいの大きさになってしまいます。

EOS 5D Mark iii+EF100-300 F5,6 L

「なんだ、小さいじゃないか…」と思われたかもしれませんね。
「写真いっぱいの満月」というわけにはいきませんが、1枚目の写真のように拡大すれば、クレーターなどもハッキリと分かる、そこそこいい感じの写真になっていると思いませんか?

満月の写真は、基本的に「トリミング=拡大」必須です!
そうしないと「小さいねぇ」としか言われないので💧

ちなみに、こちらの写真は最初に紹介させていただきました、「888の法則」で撮影しています👍
ピカピカの満月でなければ、通用する設定値です。

では、いよいよ具体的な撮影に入っていきましょう。
まずは、カメラとレンズを準備します!

準備編

カメラを選ぶ。

まずは、カメラですね。コンパクトデジカメではなく、レンズ交換式のミラーレス一眼や、デジタル一眼レフカメラが必須です。
本ブログの他の記事では、主に「昔のデジタル一眼カメラ」をおすすめしているのですが、月の撮影となると新しいほうが撮影しやすいです。
センサーサイズも「フルサイズ」じゃなくて大丈夫です。
「APS-C」サイズのほうが大きく映し出されるので、むしろ嬉しい結果になるかもしれません。
後ほど、作例を紹介いたします。
画素数も大きいほうが月の表面をきめ細やかに描写できますし、ISO感度も、より最新のほうがノイズも少なくなります。

カメラが古い場合、画素数が小さいと拡大したときに粗くなったり、ISO感度を高くするとノイズが目立ってしまうのです。それでも設定を工夫することで、ある程度満足のいく仕上がりにはなると思います。

何はともあれ、お手元の機材で挑戦することが大事ですね。

レンズを選ぶ。

月を撮影するためには、望遠レンズが必須です。
昔から馴染みのある望遠ズームレンズの最大望遠側(望遠端)は「300mm」でしょうか。
APS-Cサイズのカメラの場合、ダブルズームレンズとして付いてくる望遠側のレンズ、「55mm-250mm」などでも十分撮影できます。

当然、焦点距離が長い(○○mmの値が大きい)ほど、月を大きく撮影することができますので、400mmとか500mmとかを購入されるのもよいですが、お値段的にも、本ブログのコンセプト「お気軽に」の範囲を超えていってしまいます。
ということで、記事では300mmを基本としております。

三脚の使用

もちろん、三脚を使えば手ブレの心配もなくなるので断然おすすめですが、「お気軽な満月撮影」をするために、今回は「手持ち撮影」の方法ですので、三脚登場の予定はございません。

プロの方や、仕事で撮影する場合などは必須でしょうけど、とにかく「気軽」に撮るための記事です。
それでも、絶対に手ブレさせたくない、カチッとした月の表面を撮りたい!という場合や、三脚持ってます!という場合は、ご利用いただければと思います。

撮影設定

さて、条件も揃いましたので、いよいよ実践編に進みましょう。

一番最初に、撮影モードを「マニュアル」にします。

F値(絞り)、ISO感度、シャッタースピードについて、適切な撮影設定を行います。
まずは「888の法則」、こちらをセットしていきます。

  • F値:
  • ISO感度:00
  • シャッタースピード:1/00

最初にこの設定で撮影し、結果により変更していきます。
明るい、または画質が粗いと感じる場合、まずはISO感度を下げていきます。
暗いと感じた場合は、シャッタースピードを遅くしてみましょう。

  • F値は、値を大きくする=絞るほど暗くなりますが、シャープな写りになります。
  • ISO感度は、値を大きくするほど明るく補正しますが、ノイズが目立っていきます。
  • シャッタースピードは、速くするほど手ブレが起きにくくなりますが、仕上がりは暗くなります。

文字で書くと分かりづらいのですが、特にISO感度とシャッタースピードは相関関係にあります。

・シャッタースピードを速くした⇒暗くなった⇒ISO感度を上げる⇒明るさを補う
といった感じで、いろんな設定を試してみましょう👍

作例

はい、後はもう作例です。
ちなみに、私は優れたテクニックを持っているわけではないので、作例もそれなりです。
初挑戦したあなたのほうが、ビシッと美しくキレのある満月を撮影されるかもしれません。

フルサイズ一眼カメラ&300mm望遠レンズ

まずは、最初の作例と同じく「フルサイズ&300mm」の組み合わせです。
どうしても撮った瞬間にモニターで見ると「小さい!」と思いますが、トリミング後の写真を見ていただくと、かなり「いい感じ」になっているかと思います。

トリミング前

記事の最初の写真に比べると「色味」が違いますね。これは、「ホワイトバランス」の違いによるものです。

EOS 5D Mark iii+EF100-300 F5.6 L
EOS 5D Mark iii+EF100-300 F5.6 L

この写真を撮影したときは、ホワイトバランスを「太陽光」で撮っていたかと思います。そのため、黄色っぽい月になりました。

最初の写真が青っぽいのは、設定が「オート」だったため、カメラが選択した結果です。月なので青っぽく感じますが、実際は白に近いですね。
色味は「忠実に再現したい」「黄色っぽくしたい」「青みが欲しい」など、お好みがあると思うので、ホワイトバランスをオートにしたり太陽光にしたり日陰にしたりして、試してみてください。

トリミング後

こちらは、上の写真を「トリミング」したものです。言い換えれば「拡大しただけ」です。

EH2A3185-2

元の写真は小さく映ってますが、拡大すると「それなりに」月の表面が隅々まで写し出されていることが分かりますね。
…「それなりに」と言ったのは、やはり手ブレしてしまっているのか、少しピントが甘く感じられるからです。
カメラの性能ではなく私の腕のせい、ですね。

補足のコーナー

次の作例は、「APS-Cサイズのカメラ」で撮影したものになるのですが、その前に補足です。
ご存知の方は読み飛ばしていただければと思います。

少し脱線しますが、「APS-C」サイズは「フルサイズ」に比べて小さなイメージセンサーなので、写真としてはフルサイズより「大きく写る」ことになります。
詳しく言うと、キヤノンで「1.6倍」、キヤノン以外は「1.5倍」拡大されることになるのです。

プリン

あぁ…苦手なところだ💦分かりづらいんですよね。

フルサイズ換算」という言葉をご存知でしょうか。
300mmのレンズの「300mm」とは、フルサイズのカメラで使用した場合の焦点距離、が大前提となっております。
APS-Cサイズのカメラにセットしたとき、フルサイズのイメージセンサーに換算すると「キヤノンなら480mm」、「ニコンやソニーは450mm」のレンズで撮影しているのと同じ画角になる、という意味です。

フルサイズとAPS-Cの違いについては、別の記事で詳しく検証しております!ぜひご一読ください。

それを踏まえて、APS-Cサイズの作例に進みます。

APS-Cサイズ一眼カメラ&400mm望遠レンズ

こちら、「APS-C&400mm」の組み合わせです。
最初に「300mmのレンズが基本」と言いながら、早速約束を破ってしまいました。
言い訳としては、こちらで使用している「COSINA 100mm-400mm F4.5-6.7」というカメラは、中古ショップで5000円以下で入手した、激安の古いレンズなのです。皆さんも中古ショップを見かけたら入ってみて、カメラコーナーやその中のジャンクコーナーを覗いてみてください。

カメラも「SONY α200」という、古いデジタル一眼レフカメラです。

トリミング前

この古い同士の組み合わせで、満月はこのレベルまで撮影可能です。

DSC01057

フルサイズの作例より、トリミング前でもそこそこ大きく撮影されているのがお分かりいただけるでしょうか。
ちなみに、「APS-C機&400mmのレンズ」で撮影したとき、フルサイズ換算すると「フルサイズカメラで600mmのレンズで撮影しているのと同じ画角」となるので、最初の作例「フルサイズ&300mm」の2倍(!)、大きくなっているということですね。

トリミング後

まずまず、クッキリしていますね。最初の作例のトリミングより少しですが鮮明になっているかと思います。

DSC01057-2

これで、フルサイズのカメラである必要はないことがお分かりいただけたかと思います。

後処理編

作例は以上となります。あっさり終わってしまいましたが、この先はお好みにより満月の写真を加工するのもよいでしょう。

私は無加工派なので(単なるズボラともいいます…)、ほぼ撮影後の写真に手を加えることはありませんが、作例の「トリミング」は一種の加工です。
撮ったままの写真を誰かに送っても、「小さいねぇ」という感想しかもらえない可能性もありますが、トリミング後の大きな満月は「すごいね!」と言ってもらえるのではないでしょうか。

その他の加工としては、以下のようなものがあります。
・色味を肉眼で見た色に近づける
・よりシャープにする
・明るさを調節する

その加工については「2つのパターン」があるので、この機会に覚えておきましょう。

RAW現像

RAW現像とは、昔のフィルムカメラでいう「フィルム」に近いデータの保存法です。画像データとしてはJPEGが一般的ですが、カメラで設定したホワイトバランスや露出補正が反映された後の「加工できないデータ」という性質を持っています。
その点、RAWデータはそういった後付けの設定が反映される前、つまり「露出補正などが後から変更できるデータ」ということになります。

私は基本的に「JPEG撮って出し」なのでRAWを使うことはありませんが、満月は「RAW」で撮影するものよいでしょう。RAWで撮影するには、各機種の画質設定にて、RAWを選択すればOKです。
撮影時のデータの出力方法の組み合わせとして、カメラにより異なりますが、基本的に「RAWのみ」「RAW+JPEG」「JPEG」の3種類はあるはずです。
「RAW+JPEG」はどちらも出力されるので、ファイルサイズに注意しましょう。

フォトあ

…今回の作例も、いつものクセでJPEGのデータしかありません🙇

後からきちんと加工するなら、JPEG写真を加工するのではなく、RAWファイルで実施することをおすすめします。

撮影したRAWデータを現像することで、お好みの満月に仕上げることができるでしょう。

画像編集

JPEGは撮影時の設定が反映済みで変更ができないとお伝えしましたが、画像編集ソフトを使用することで、コントラストや彩度など、調整することは可能です。

パソコンであればWindowsに付属のペイントや、スマホの「写真編集機能」で、ある程度の調節は可能です。

まとめ

以上、お気軽・お手軽に満月を撮影する方法をお伝えしてまいりましたが、いかがだったでしょうか?

ミラーレス一眼カメラやデジタル一眼レフカメラを使って、F値・ISO感度・シャッタースピードを設定するだけで、三脚を使わず手持ちで満月の撮影ができることをざっくりと説明いたしました。

この記事を読んでいただいて、満月の撮影に挑戦するきっかけを得られることを願っています。そして、初めて自分の手で写真集で見かけるような、クレーターなどの月の表面をしっかり写し出された写真を撮ることができたら、本望です。

もし満足のいく写真が撮れたときには、ご自身のブログやSNSで、知り合いやたくさんの人に共有していただければ幸いです。
ひとつ、写真撮影の楽しみが増えることを願っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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