【ジャンク修理・手順書】キャノンEF-S 18-55mm ISをアロンアルフアで完全修復!AF・手ブレ補正もOK…でもまさかのオチが?

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フリマアプリで完全ジャンク?発見!

皆さん、こんにちは。古いカメラとレンズをこよなく愛する「じぶんカメラ」管理人、”フォトあ”です。 日々の疲れを癒やしてくれる時間、それはジャンクカメラ・レンズ探しです(笑)。

その中でも、最近私が特に力を入れている(?)のは「1000円〜2000円のジャンク品を救出すること」です。 由緒あるオールドレンズや、逆に新品の機材も素晴らしいですが、捨てられる寸前の機材を自分の手で蘇らせるときの喜びは、何ものにも代えがたいものがあります。

今回、某フリマアプリ最大手にて、ある”お宝”を発見しました。

Canonのデジタル一眼レフユーザーなら誰もが知る標準ズームレンズ、「Canon EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS」です。

前玉が沈んでいる!

説明文はこんな感じでした。

「前玉の枠が折れています。レンズが外れています。撮影不可。ジャンク扱い。」

価格は送料込みで約2,000円
出品者さんも「燃えないゴミ」に出すよりは、という心境だったかもしれません。誰か買うのかな?と、しばらく様子を見ていましたが…さすがに激安とはいえ、完全故障品。放置されています。
私は商品画像を眺めながら考えていました。

「これ、アロンアルフアで直るんじゃない?」

はい。結論は「直りました」!

今回は、このジャンクレンズを最強の接着剤で復活させるDIY修理記録と、その先に待っていた衝撃?のオチまでを、余すことなくレポートします。

※前置きを飛ばして修理の流れを見たい方はこちらをクリックしてください!


「EF-S 18-55mm IS」は壊れやすいのか?本当の理由

普及率はトップクラス、故に壊れている個体も多い。

まず、今回の患者(レンズ)について解説します。
Canon EF-S 18-55mm F3.5-5.6 ISはAPS-Cセンサーのレンズで、EOS Kiss Digitalシリーズなど「デジタル一眼レフ」のキットレンズとして大量に生産・販売されました。おそらく日本でご家庭にあるレンズNo.1、と言っても過言ではないかもしれません。

公式サイトを見て「2013年発売」と知りました。オールドレンズばかり集めている私としては、かなり新しい時代のレンズです(笑)。

このレンズの特徴は、ざっくりまとめると以下の通りです。

  • 標準ズーム域をカバー:一般的な広角から中望遠あたりまで、3倍ズーム。
  • 圧倒的な軽さ:プラスチック多用による軽量化。
  • 手ブレ補正(IS)搭載:初心者でも安心。

検索キーワードで分かる”弱点”

キットレンズなので使いやすい反面、とにかくコストダウンが計られているため、故障も定番の内容が多いです。
Googleで「EF-S 18-55mm 修理(あるいは故障)」と検索すると、「フレキシブルケーブル」「AF 修理」「絞り 故障」といったサジェストキーワードが出てきます。
これは、構造的に「ズームの伸縮・回転動作」を繰り返すうちに内部のフレキシブルケーブル断線してしまい、電気で制御されているオートフォーカスが不安定になったり、絞りが効かなくなったりする、というわけです。

ところが、今回のレンズは全く別の要因です。プラスチックの枠が折れて、前玉ユニットごと沈んでしまっただけというシロモノ。

つまり「光学系(ガラス)自体が無事なら、くっつければ直る」という、ジャンク修理初心者🔰にはうってつけの個体とも言えます。
…私は正直、電気系統の修理はムリです(過去に二度破壊歴あり)。カビやクモリの除去も、特に新しいレンズは深部まで分解する必要があり難しいのですが、今回は物理的な破損で、しかも電気回路のない前方だけ!
成功率が高い個体と判断しました。

プリン

ものすごい素人判断では?

フォトあ

素人上等!2000円の宝くじと思ってます🙏


メルカリでのジャンク品選定眼

まとめると、今回私がこの個体を選んだ理由は、以下の3点です。

  1. フレキシブルケーブルが切れていない(と想定)
  • 前玉が外れた際、何等かの衝撃で内部の配線が影響を受けていないか?⇒出品画像で、外観に大きな傷や割れがないことを入念に確認しました。
  1. ガラス面に大きな傷がない(ように見える)
  • 脱落した際にガラスが地面に激突しているとアウトです。今回は「枠が折れた」という記述のみだったことと、レンズの表面はこちらも出品画像から無事と判断しました。
  1. 価格の妥当性(上2つの推測が正しければ)
  • 完動品の中古相場が4,000円〜8,000円程度。2,000円でゲットして修理⇒完動品に復活すれば、実質中古相場の半額以下でIS付き標準ズームが手に入ることになります。

修理実践!アロンアルフアの威力

さて、商品が到着し、早速開封してみると…見事に前玉ユニットが鏡筒の内部に落ち込んでいます。商品説明に噓いつわりはございませんでした(笑)。レンズも見立て通り、無事のようです🙌
さあ、オペ(修理)を開始します!

白い点々はカビではなくチリです

用意したもの

  • 精密ドライバー:レンズ分解には必須です!
  • アロンアルフア(プロ用・耐衝撃):普通の瞬間接着剤ではなく、衝撃に強いタイプを選択。
  • 消毒用アルコール:接着面の脱脂用。
  • ブロワー:ホコリを飛ばすため。

アロンアルファは再登場

今回使用した瞬間接着剤アロンアルフア、本当に強力です。

アロンアルファ プロ用 耐衝撃
アロンアルファ プロ用 耐衝撃

実は、別の記事「脱落したミラーの修理編」でも大活躍しました。ぜひご一読ください。

手順①:現状確認と前玉の取り出し

とにもかくにも、まずはレンズを外します。
その前に、製品名の書かれた「化粧板」を剝がさなければなりません。

薄いプラスチックでできていて、両面テープで貼り付けられてるので、じわじわ剥がさないと、折れ目がついたりするので神経を使います。

前玉レンズ群はぶら下がっているわけでおなく、完全に折れて中に落ちている状態でしたので、外に出しました。

続いて、本体に残った前玉枠を外す作業です。見えている3つネジを、精密ドライバーで慎重に外します。

こんな細いプラスチックの部品を金属のネジ3つで止めているわけで…ちょっと強く押されたら折れてしまうのも頷けます。

手順②:破断面のパズル合わせ

折れたプラスチックの枠は、見事にパキッと割れていました。これを元の位置に「ピタリ」と戻す必要があるため、「カチッ」とハマるポイントを探してきちんと合わせます。ここで失敗してズレると、光軸自体がズレて片ボケなどの原因になります。
慎重に位置合わせを行い、「ここだ!」というポイントで入念にリハーサルを行います。

手順③:接着の儀

いよいよアロンアルフアの登場です。※できれば直接塗らないようにしましょう!!
一度、紙などの上に出し、つまようじの先端に少量取ります。割れた断面に、点描画を描くようにチョンチョンと塗布。
…理想はそうなのですが、私は直接やらせていただきました(これもNG!!)。

いきなり接着済みの画像で申し訳ございません💦接着剤を塗布して止めて…で精一杯でした。

一部欠けていますが、そのままとしました

瞬間接着剤(シアノアクリレート系)は、硬化する際にガスを出し、周囲を白く曇らせる「白化現象(ブルーミング)」を起こします。これがレンズ周辺で起きると、光学系が曇ってしまい、事態を悪化させてしまいます。

【対策】
接着剤は「塗りすぎない」ことが鉄則。そして、風通しの良い場所で作業すること。私は今回省きましたが(…NG!!)、レンズガラス面をマスキングテープで保護することをおすすめします。

静かに割れた枠と前玉ユニットの枠を当ててしばらくじっとします。

「無事にくっつきますように…!」

数分間、手で固定し続けます。忍耐力はないほうなので、とにかく心を無にして…
およそ5分後。手を離しても外れなくなりました。
完全硬化まで、念のため翌朝まで放置することにしました。

手順④:組み戻し

そして翌日。少し押してみてグラつかないことを確認できたので、組み戻し開始。
【重要】セットしてしまう前に内部をカメラ用のブロワーでチリを吹き飛ばします!

枠・ネジともに分解前の写真を見て、元の位置に戻します。

マーキングしておくのもおすすめです

ネジは強く締めすぎると、プラスチックの枠を割ってしまうので、加減しながら緩まない程度までググッと締めました。

そして、化粧板をセット。両面テープは一度剥がすと弱るため貼り直してもよいのですが、「また何かあったとき」のため、そのまま軽く指で押さえて完了としました。

見た目には元通りですね♪

動作確認と歓喜の瞬間

翌日。近くにあったEOS KISS DIGITAL(こちらも元ジャンク)に装着します。

オートフォーカス(AF)テスト

シャッターボタンを半押し。「ピピ!」
OKです👍正常に合焦します。前玉はしっかり固定されており、片ボケ等もなさそうです。

手ブレ補正(IS)テスト

ISスイッチをONにして、ファインダーを覗きながら少し揺らしてみます。
…実はこのシリーズ、正常動作品でもビタッ!と止まる感覚はないため、多分問題なさそう…ということにします💦

写りの確認

適当に部屋の中を撮影。
PCに取り込んで等倍確認しましたが、改めて光軸ズレによる片ボケなども見当たらないようです。

素人判断ですが、
「合格!」
購入費わずか2,000円と数滴のアロンアルフアで、完動品の標準ズームレンズをゲットすることができました✨
この達成感こそ、ジャンク修理の醍醐味。感慨深いですね。

プリン

共感してくださってる方、いますか~💦


まさかのオチ…「フィルターが、ハマらない」

しかし、神様は私に完全な勝利を与えてはくれませんでした・・・
修理も終わり、最後に何気なくレンズ保護用の「レンズフィルター(58mm径)」を装着しようとしたその時です。

「…あれ? ハマらない?」

フィルターを回しても回しても、噛み合わないのです。
よく見ると、鏡筒の先端「枠部分」が折れていました。”道中”のレンズの写真を見返すと、明らかに歪んでいるのですが、前玉に夢中で全く気付いておりませんでした(笑)。

割れて「溝」に歪みが生じています

前玉群の枠が折れたときの状況を推測すると、フィルター枠もろとも何か強い力で押し込んでしまったのではないしょうか。レンズが綺麗だったので落下ではなく「思いバッグを重ねて置いた」とか「レンズを上向きに置いていて踏んでしまった」とか…
そのときの”圧”で枠が折れて、フィルター枠のネジ山に歪みが生じてしまったようです。

悲劇の再確認

  • レンズキャップ:とりあえずハマる(バネ式なので多少の歪みは許容)。
  • レンズフィルター:装着不可
  • レンズフード:バヨネット式なので、影響なく装着可能。

そう、このレンズは「フィルター装着不可」という後遺症が残ってしまったのです。
前玉がむき出しの状態。もしまたぶつけたら、今度こそガラス直撃で即死です。

「枠が一部折れており、レンズフィルターが嵌められず・・・(泣)」

まぁ、これはこれで「ジャンク道」らしい結末と言えるでしょう。
いつか気が向いたら、今回の神アロンアルフアで接着し、ネジ山を整形してみます。


今回の教訓とまとめ

今回の修理から得られた知見をまとめます。これから修理に挑む同志のために。

ジャンクレンズ修理のメリット・デメリット表

項目メリットデメリット
コスト圧倒的に安い(市場価格の1/3以下も)修理道具代が別途かかる場合がある
スキルレンズ構造の理解が深まる失敗したら自信喪失へ…
結末自分の手で直すことで愛着が湧くフィルターが付かなくなる等の後遺症

よくある質問(FAQ)

Q:アロンアルフアがレンズに悪影響を与えませんか?
A: 気を付けていれば大丈夫です。付着は言うまでもなくアウトですが、「シアノアクリレート系」特有の揮発ガスにより白化する可能性があります。これを防ぐには作業~乾燥まで終始風通しを良くし、ガスを滞留させないことが重要です。何より、必要最小限の量を使うことがコツです。

Q:折れた爪が見つからない場合は?
A: 一気に難易度が上がります。状況によりプラリペアやUVレジンで、欠損部分を形成する高度なテクニックが必要です。今回も一部が欠損していましたが、「枠としての重要なパーツが全て残っていた」のが勝因でした。

結論:それでもジャンクはやめられない

フィルターが付かないという別の課題が見つかりましたが、フードを装着することで前玉保護の代わりにはなります。
何より、2,000円で普通に撮影を楽しめるなら安いものです。

オールドレンズや古いデジカメも良いですが、こういった「現行に近いジャンク」をDIYで実用品に戻すプロセスも、また一つのカメラの楽しみ方です。

電気系統は一切関係ない、物理的な箇所の修理は思いのほか簡単なので、皆様にも本当におすすめです。
さあ、次はどんなジャンクが私たちを待っているのでしょうか✨

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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