最近の写真加工アプリは秀逸です。
こちらの記事では、その中でも特におすすめの「RNI Films」を紹介させていただきます。
その前に質問なのですが…皆さんは撮った写真を加工する派ですか?それとも、しない派ですか?
私は基本的に、撮った後は何もしません。補正もしなければ、トリミングもしません。
え❓「私はズボラです!」と宣言してるのかな❓
違いますー💦
ある意味では”ズボラ”かもしれませんが、できあがった写真を加工=「完成品を修正する行為」をどう捉えるか?というお話です。そもそも、この記事を書くキッカケになったのは、一冊のベストセラーでした。
こちらは後半に紹介させていただきます。
おすすめ写真加工アプリ「RNI Films」
こちらの作例は、フィルムを現像したような雰囲気ですね。このクオリティで無料アプリなのですから、驚きです。
デジタル一眼レフで撮影した写真を、iPhoneで写真加工ができる無料アプリ、「RNI Films」を使用してフィルムライクな雰囲気になりました。
スマホで撮影した写真であれば、RNI Filmsを起動して、フィルム風にしたい写真を選択するだけで完了です。
具体的には、アプリを開いているときに画面下部に表示されているカテゴリを選択し、それぞれに登録されているフィルムの種類をタップすると、そのフィルムで現像した写真に近いイメージに加工してくれるのです。
デジタル一眼カメラで撮影した写真の場合は、SDカードから移動したり、Wi-Fi転送してスマホに取り込んだりする必要があるのでひと手間かかりますが、撮影した写真をスマホに取り込んでしまえば、後の手順は同じです。
無料の範囲で何種類かフィルムのタイプ選択できますが、一部の設定は課金が必要です。
実際にフィルムで現像したかのような雰囲気になるので、「いいね!」とは思うのですが…私は最近の風潮「余計なものを切り取ったり、Photoshopで加工したりして、写真を修整する」というのが、実は受け入れがたい、いわば古いタイプの人間です。
例えば、このようなアプリなどでフィルム風に加工された写真を、私は「私の作品です」と宣言してしまうことには、かなり抵抗があります…
※こちらが元の作例、フィルム風に加工する前の写真です。
基本的に、フィルムライクな写真加工は、元の写真の鮮やかな色・シャープネス・被写体のピントなどの精度を低くしていくことで、実現できるようです。
「RNI Films」の簡単な使い方。起動から加工まで
RNI Filmsは、インストールから加工方法まで、本当に簡単なので説明するまでもないかもしれませんが、こちらの章でイメージを掴んでみてください。
まず、起動直後はこんな感じです。
「LOAD PHOTO」をタップすると、写真の選択について聞かれます。
初回は「写真を追加選択」で、スマホに保存されている写真を選択してください。
選択すると、すぐにフィルム加工する画面になります。
カテゴリを選択し、フィルムのタイプを選択すると、加工後の写真が表示されます。
後は、ダウンロードするだけです!とても簡単ですよね。
フィルムのタイプを選択する以外にも「カスタム設定」が可能です。一般的な明度や彩度の調整に加えて、周辺減光の表現や、フィルムで現像した場合に発生する細かい傷の再現など、遊び心もあって楽しめるアプリです。
RNI Films その他の加工例
私は課金していないので「無料で利用できる範囲」に限られますが、加工のビフォーアフターを紹介します。
Technicolor 2
私はフィルムの名称を見てもピンと来ないのですが、その時代をご存知の方であれば、その再現度とかがお分かりになるのでしょうか。
こちらは、かなり淡い色合いになりました。
元の画像はこちら、「OLYMPUS E-PL6」とセットの望遠レンズで撮影したものです。
この鮮やかな色合いがそぎ落とされ、オールドな仕上がりになったことが分かりますね。
フィルムのような写真を撮りたい、というのはデジタル全盛の時代において、必然的に湧き上がる感覚なのかもしれません。
写真を加工することなく、フィルムライクな写真を撮りたい場合は、オールドレンズと、少し古めのデジタル一眼カメラを使うのがおすすめです。
以下の記事で、少しですがコツを紹介しておりますので、よろしければご一読ください。
「写真じゃなく、カメラの話をしよう」
さて、写真加工アプリの紹介に続くテーマは、そもそも「写真加工」をどう考えるか?という、少し堅い話になります。
この見出しを見てピン!とくる人は、きっと「良い写真を撮りたい」とか、「良い写真とは何か?」を考えている人でしょう。そして、「あれ?いや、逆じゃない?」と思われたのではないでしょうか。
そう、ご存知ベストセラーとなりました嵐田大志さんの著書「カメラじゃなく、写真の話をしよう」へのオマージュ?な見出しです。
- 写真はスマホで撮ればいいんだ♪
- 後から加工しちゃえばいいんだ♪
既に読まれていて、そんな結論に至ったあなた。
そう結論付けるのはちょっと早いかもしれません。
私もタイトルに惹かれて、読ませていただきました。時代に合った、大変良書だと感じました。
と同時に、いろいろな思いを持ちましたので、納得いったこと・いかなかったことなど、勝手ながらまとめてみたいと思います。
ザックリ、こんな感じの内容です
まずは、内容を大枠でまとめてみました。
- 機材も設定もこだわらなくてよい
- 撮った写真は編集すればよい
- 写真に対する古い考え方をアップデートすべき
第一印象は、とにかく今の時代にあった内容である、という一点に尽きます。
スマホで誰もが、いつでもどこでも写真を撮れるこの時代に、しっかりと寄り添っているのです。
「きちんとした機材(デジタル一眼カメラ)を使わないといけないのかな…」と漠然とした不安を抱えている人には、自信を持てるようになる内容だと思います。
そして、写真の撮り方のコツは丁寧に記されていて、よき雰囲気の作品が多数掲載されており、うまく撮れないと悩んでいる人には参考になるし、心に刺さる内容だと思います。
そして何より、大胆な提案を出されているのが印象的でした。
つまり、今の時代ほとんどの人がスマホという高性能なカメラを常時携帯しているのだから、いつでもどこでも撮影できますよ・撮った写真はスマホにもついている加工機能でよい雰囲気になるのだから使わない手はない・昔ながらの人はカメラだのレンズだの設定だの、細かいことをいつまでも言ってないで新時代に合わせていきましょう、という主張をされているという理解です。
※間違っていたらご指摘ください。
確かに、ミラーレス一眼カメラとかデジタル一眼レフカメラとか、本格的なレンズ交換式カメラを持っていない人は勇気づけられるだろうし、所有していてもいろいろな機能を使いこなせず持て余していた人は「いつもオートで撮ればいいんだ」と安心するだろうとは思います。
でも私は、「その結論で本当に良いの?」という思いが、頭の中でグルグルする結果となりました…
極めて個人的な「写真」への3つの思い
私は、(そこそこ)長くカメラと関わってきた人間として、少し極論かな?と感じてしまいました。
しかし、恐らくこのような感覚は若い人ほど「古い考え方だ」となるはずです。
でっかい一眼カメラのファインダーを覗いて、情況に応じてレンズを変えて撮ることに写真の醍醐味がある、と思っている人と、スマホで撮影してInstagramにUPしたりするのが写真の楽しみだという人とは、「写真」に対する感覚が全く異なるので読んだ後の感想も全く違うんじゃないかと思います。
ということで、「わざわざカメラを持ち歩いて写真を撮っている人間」としての思いを書かせていただきます。
加工・編集ありき、で本当に良い?
この話、解決されることのない議論として、皆さんもよく聞かれるかもしれません。
- 写真は撮って出しが重要で、後から加工するなんて邪道だ
- いやいや、加工して良くなるならそれに越したことはないじゃないか
この2種類の意見のぶつかり合いは、この先も未来永劫、平行線をたどるように思います。
どちらが正解でも不正解でもなく、その人の生きた時代が大きく影響する話だからです。
では、私はどちらなんだ?というと、冒頭で宣言したとおり「加工はしたくない派」です。
絶対やらない・絶対やってほしくない、とまでは言いませんが、トリミングを含め基本的には手を加えません。
理由は、「後で加工できる・加工すればいい」が前提にあったら、どうしても撮影のとき「どうせ後で修正すればいい」という気持ちになってしまい、「雑」になったり、変に「お気楽」になったりする可能性が高いからです。
広角で大き目に撮影しておいて、パソコンでいい構図になるよう切り取り、好きな色味に変える。
それはもう、撮影したときの景色・空気感とは別物になるような気がしてしまいます。
「習字」や「書き取り」で失敗したとき、かすれた箇所をなぞって修正しませんよね?書き上げた瞬間がゴールだと思うのです。まさにその感覚というか、何となく「ズルい」と感じてしまうのです。
でも、絵画だったら?納得のいくところまで色を重ねたり変えたり…その視点に立つと、写真加工だって同じじゃないか!となり…結局「平行線」となってしまうことになります。
…と、ちょっとカッコつけて書いちゃいましたが、私
「後から画像開いて編集するのが面倒」
というタイプです。やはりズボラなのでしょうか。結局、これが一番の理由かもしれません(笑)
どんな機材でも本当に良い?
次に、機材のお話です。嵐田さんはものすごい金額をカメラやレンズにつぎ込んできたそうです。
が、その結論として「機材にこだわる必要はない」とのこと。
これも、私はそのまま賛同できませんでした。
その理由は明らかで、私が写真加工しない派だから、です。
加工ありなら、スマホで十分かもしれません。何しろ、撮影前から雰囲気(加工)の設定ができますし、一眼カメラならではの「ボケ」も、今やスマホにも複数レンズが備わり「広角~望遠までOK・被写体くっきり・背景ボケる」がデジタル加工とはいえ可能になっているのですから。すごい時代です。
でも、嵐田さんも使っていらっしゃるカメラは、しっかりとした一眼レフカメラです。
様々な機種を経験して得た答えを、全くカメラの世界を知らない人が鵜呑みにしてしまったら…
それは不幸なことではないのかな、と思ってしまいます。
やっぱり、次の著書では「カメラの話」も聞かせてほしいところです。
写真に対する考え方はひとつで本当に良い?
これは、ずっと私が思っていることです。
通り一辺倒に「加工OK」「機材不問」では、あまりにも短絡的すぎます。
バシッ!と、まさに撮影者が感じたその場所の空気感、その一瞬を閉じ込めたような作品と、家に帰ってコントラスト・彩度・明度に手を加えて自分好みに雰囲気を変えた作品とが、同列であってはならない。と、私は思います。
写真のコンテストなど、評価するときも「撮って出し部門」「加工部門」といった感じで、必ず分かれていたらいいのにと思うのは、私だけでしょうか。
スポーツだって、走る競技は「競争」だけではなく、短距離走・長距離走・マラソンなどに分かれていますよね。
まとめ。「まだまだカメラにこだわりたい」
最後に機材のお話。私はまだまだ、機材にこだわっていきたいと思います。
もちろん、このブログのコンセプト「お金を掛けずに」は大前提ですが(笑)。
デジタル一眼であれば「フルサイズ」のカメラ、レンズであれば絞り開放値が小さいレンズ。
中古なら、最新のiPhoneを買うより全然安く、手に入れることができます。
私は初めてこれらの機材を手にしたとき、初めて写真の奥深さを実感したのを覚えています。
皆さんにも、その感動を味わっていただきたい!
そう願わずにはいられません。
以下の記事で、カメラの必要性について考察しています。
スマホやコンパクトデジカメでは味わえない、カメラの奥深さをお伝えしたくて記事にしました。
よろしければ、ご一読いただけましたら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。