「フリマアプリで3000円の一眼レフを買った!」
「ハードオフでオールドレンズを手に入れた!」
意気揚々と撮影に出かけたものの、家に帰ってパソコンで写真を見てガッカリする。
「あれ…? iPhoneで撮ったほうが綺麗じゃない…?」
そう感じたことはありませんか?
実はそれ、あなたの腕が悪いのではありません。「戦い方」を間違えているだけです。
最新のスマホやミラーレス一眼は、「誰が撮っても明るく、クッキリ、ノイズのない写真」になるように設計されています。
対して、私たちが愛する「古いデジタル一眼レフ」や「ジャンクレンズ」は、逆光に弱く、ピントも甘く、暗所ではノイズが出ます。
しかし、この「欠点」こそが、令和の今「エモい」とされる要素なのです。
この記事では、写真の教科書に書かれている「正しい撮り方」を一旦すべて忘れ、「安い機材でしか撮れない、味のある写真」を撮るための5つの裏技を伝授します。
技①:構図は「日の丸」が最強?その理由
写真教室に行くと、最初にこう習います。
「被写体を真ん中に置く『日の丸構図』は素人っぽいから避けましょう。『三分割法』を使って、画面の1/3の場所に配置しましょう」
嘘です。
…とまで言い切るとお叱りを受けそうですが、一旦忘れてください。
実は「オールドレンズ」や「ジャンクレンズ」においては、日の丸構図が生きてくる場合があるのです。
理由:真ん中しか解像しないレンズがある
数千円で売られている古いズームレンズやオールドレンズは、現代の高級レンズと違い、「画面の端っこ(周辺)」の画質が悪いことがよくあります。
端っこに行けば行くほど、像が流れたり、ボヤけたり、暗くなったり(周辺減光)します。
だからこそ、「レンズの一番おいしい部分(中心)」に被写体を置くのです。
真ん中の被写体はクッキリと写り、周りはグルグルとボケたり、トンネルのように暗くなる。
これは最新レンズではソフト的な加工をしないと出せない「トンネル効果」という演出になります。
- アクション: 堂々と被写体をど真ん中に捉えてください。背景が勝手にボケて、主役が浮き上がります。
日の丸構図だけでいいの?
もちろん、それだけでは単調になってしまいます。
まずは日の丸構図から始めて、正攻法の構図は後から覚えればOKです!

引き算の法則で、被写体だけに絞った例。

大海原に見えた写真の、実際の現場(笑)。

技②:「逆光」は敵ではない、最高のスパイスだ
「写真は順光(太陽を背にして)で撮りましょう」
これも教科書の常識ですが、私たちジャンクカメラインには退屈すぎます。

古いレンズのコーティング(ガラスの膜)は性能が低いため、強い光が入ると、光の輪っか(ゴースト)や、画面全体が白っぽくフワッとする(フレア)現象が起きます。
現代のレンズメーカーは、これを「悪」として極力出ないように努力していますが、私たちはこれを「エモい!」と呼びます。
フレアを意図的に出す方法
- 夕暮れ時など、太陽の位置が低い時間を狙う。
- あえて太陽が画面の隅っこに入るか入らないかのギリギリを狙う。
- ファインダーを覗きながら、「画面が一番白くフワッとする角度」を探す。

これで、何でもない道端の草花が、まるで映画のワンシーンのように輝き出します。
オールドレンズを使う最大の理由は、この「光の悪戯」を楽しむためです。
技③:ホワイトバランスは「オート」を捨てろ
「写真は色味が大事」と言いますが、カメラ任せの「オートホワイトバランス(AWB)」にしていませんか?
オートは優秀すぎて、夕焼けの赤みすら「白い光」に補正しようとしてしまいます。これでは雰囲気が台無しです。
エモい写真を撮りたいなら、ホワイトバランスを固定しましょう。
おすすめ設定
- 「太陽光」モード:
一番おすすめです。晴れた日の雰囲気を自然に再現します。屋内では赤みがかった仕上がりになるので注意。 - 「日陰(くもり)」モード:
画面全体がオレンジっぽく、暖かくなります。
晴れた日の昼間でも、これを設定するだけで「どこか懐かしい、昭和の夏休み」のような色合いになります。 - 「蛍光灯」モード:
画面全体が青白く、冷たくなります。
早朝の静けさや、都会のクールな無機質さを表現したいときに最適です。
「正解の色」なんてありません。「あなたが好きな色」で世界を塗り替えましょう。
技④:露出は「マイナス」が鉄則
古いデジタル一眼レフ(特にCCDセンサー機など)を使うときの最大のコツです。
「露出補正」を常に「-0.7」〜「-1.0」にしておいてください。
理由:白飛びしたら終わりだから
古いセンサーは、明るい部分のデータ(ハイライト)が飛びやすく、一度真っ白になってしまうと、後からどう調整しても色が戻りません。
逆に、暗い部分(シャドウ)の階調は驚くほど豊かに残ります。
少し暗めに撮ることで、空の青色が深く濃くなり、金属の質感が重厚になります。
「ちょっと暗いかな?」くらいが、スマホ写真にはない「重みのある一枚」になります。
明るくポップな写真はスマホに任せて、一眼レフでは「陰影」を撮りましょう。
技⑤:ピントは「マニュアル」で合わせる快感
激安のジャンクレンズの中には、オートフォーカス(AF)が壊れていたり、そもそもAFがない「マニュアルフォーカス(MF)レンズ」も多いです。
これを「不便だ」と思わず、「対話の時間」と捉えてみてください。
レンズのリングを自分の手でじっくり回す。
ファインダーの中で、ボケていた像がスーッと結像し、くっきり見える瞬間が訪れる。
「今だ!」と思ってシャッターを切る。
この一連のプロセスこそが、撮影の快感です。
たとえピントが少しズレていても構いません。そのズレすらも、あなたがその時迷った証であり、「味」になります。
ピントがバチバチに合っているだけの写真なら、AI搭載のカメラが勝手に撮ってくれます。私たちは「自分の視点」を記録しているのです。
マニュアルでブレても雰囲気が出たりする。
技⑥:絞りは基本「最大開放」で!
レンズの性能を最大限に生かす「絞り開放」
レンズの製品名に「F値」というものがありますが、この数値が小さいほど「明るいレンズ」と呼ばれます。
その意味は、人の目で例えると「カッと見開いた状態」。
逆に値が大きくなると、より絞ることになり、「目を細めていく」ようなイメージです。
開放=光の入ってくる量も大きくなるため、シャッタースピードが稼げるだけでなく、「ボケ量」が大きくなり写真の雰囲気を良くする効果もあります。
以下の記事で詳しく触れていますので、ぜひご一読ください!

まとめ:不便さを楽しむのが「大人の写真術」
- 日の丸構図で、レンズのおいしい中心を使う。
- 逆光で、フレアやゴーストを歓迎する。
- WB(日陰)で、ノスタルジックな色をつける。
- マイナス露出で、渋い陰影を描く。
- マニュアルフォーカスで、被写体と向き合う。
これらはすべて、最新の高級カメラでは「補正すべきエラー」として処理されるかもしれません。
しかし、私たちが使うのは数千円のジャンクカメラです。
スペックが低いからこそ、撮り手の工夫が入る余地があります。
「綺麗に撮らなきゃ」という呪縛から解き放たれて、あなただけの「エモい世界」を切り取ってみてください。
その写真はきっと、誰かの心に残る一枚になるはずです。
こんな写真が撮れる安いカメラが欲しくなったら、失敗しない選び方をチェックしてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。







